a-4-1.ケートゥ

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

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日本では竜尾、英語圏ではドラゴンテール、インドではケートゥと呼びます。ケートゥがどういうものなのかは以下の記事でお読みください。

a-2-3.ラーフとケートゥ

西洋で作ったインド占星術ソフトでもインド式表記のソフトでもKeと表記されます。

尚、西洋占星術のソフトでは下記のような記号となっております。

呼び方や記号は違いますが、対象となる空の点としては同一です。ケートゥは地球を挟んでラーフの真反対を全く同じ速さで移動するので、天空を一周する周期は約18.6年です。土星の次にゆっくり動く点です。他の星と違い、東から西ではなく、ほとんどの場合において西から東に動いていくため、R(リターン)と表記されることはありません。

Keという記号を見た途端にケートゥのことだとわかるようにしておくことが解読方法を身につける上で大切になります。

ケートゥは火星とよく似た性質を表すとされています。火星の表す力が、ケートゥの場合は内側に向かうとご想像ください。力も色々です。例えば火星が肌に及ぼす害が火傷だとすれば、ケートゥの害は凍傷。火星の怒りが他人に向かうとすれば、ケートゥの怒りは自分に向かうと考えるとわかりやすいと思います。傷、怒りと良くない例を挙げてしまったので一つだけ良い印象の事象を挙げさせていただきます。火星の力が自分自身に向かった場合は肉体改造となりますが、ケートゥは心的改造となります。つまり仏教における悟りに導く役割がケートゥにはあると言われています。

グナ(気質)はタマスです。

パンチャブータ(五元素)ありません。パンチャブータが無いという事はどういうことなのでしょう。考えてみてくださいね。

ドーシャ(体質)はピッタです。

古代インドの人々は星に性別をみていました。ケートゥは星ではありませんが、やはり性別を持っています。男性、女性、中性とある中でケートゥは中性です。

カーストはアウトカースト(異邦人)です。

占星術では星を個別に吉星・凶星と区分します。火星に似ていることから凶と捉えられています。とは言え、入る室としては吉と考えられる場合もあります。ラーフと同じく1・4・5・7・9・10室に入ると吉、そうでなければ凶とされます。ですが、本人がどういう生き方を好むかで吉凶は変わります。占星術における吉凶判断の難しさがここにあります。

7つの星は互いに仲が良かったり悪かったりします。ケートゥと他の星に仲の良い悪いはありません。ただし、こと太陽と月に限っては、ラーフやケートゥを一緒にいるのを嫌がります。何故なら太陽は新月の時、月は満月の時にラーフとケートゥに食べられてしまって天空から消えてしまうからです。ケートゥの方が太陽や月を嫌がるということはありません。最高星位・ムーラトリコーナ・最低星位はケートゥにもあるので、ここではそちらの図を再掲します。ケートゥは蠍座において居心地が良く、次いで射手座でもくつろげます。牡牛座では居心地が悪いと感じることになります。

参照図においてケートゥは4室の天秤座にあります。天秤座の支配星は金星です。これは特に居心地には関係ありません。ケートゥは龍のしっぽなので目が無いと言われています。よってドリシュティ(見る)はありません。天秤座では火星・月が一緒にいます。ケートゥは同じ星座・室にいる星の表示を内向きにしようとするので、火星が表す力と月が表す心・身体・感受性もしばしば内に向かいます。4室が表す家と乗り物について、内に向かう力が表出するでしょう。

それでは内向きの力という文言を用いてこの配置から読めることを言い表してみましょう。

4室は家と乗り物を表すので、家や乗り物についてのこの人の力は内に向かいます。具体的に言えば内部に力を加えるということになります。尚、4室は誕生における地面方向なので、表意には土地も含まれます。よって、土地にも内向きの力を向けます。4室は金星が支配する天秤座が位置するため、ケートゥの内に向かう力は金星の表す愛情を伴います。この人は家や乗り物、土地に対して愛情を注ぐでしょう。同室の火星と月の表示がケートゥの力にも表れるため、一部の力は外にも向けられます。月は反応を表すので、この人が使う力は自身にも跳ね返ってきます。

過去、筆者は遺跡発掘業者を長く生業にしており、現在は農的生活を送るべく土地を持ち、果樹を植樹しております。遺跡発掘、農的生活どちらも土地に何かを建てるのではなく掘り進む作業です。更に遺跡発掘においては過去に向かう作業です。今後進む予定の農的生活における収穫物は一部を売るものの、多くは自給に使おうと考えています。つまり地面に内向きの力を使い、そこからえられる収穫は、自身の心・身体に戻るということになります。ここでもケートゥの意味する内向きの力は見事に表れているようです。また、過去にマンション、現在は戸建て住宅を所有しておりますが、どちらにおいても室内の改装に力を使っています。別にインド占星術を意識して生きて来た訳ではないのですが、星の配置のままに生きていることに気が付いてしばしば苦笑いする自分がいます。自らの事を公開するのは一抹の恥ずかしさがありますが、読解の参考になれば幸いです。

これがインド式占星術における最も基礎的な読解です。

次回からは星が在住する室と支配している室のつながりについてお話しします。

a-4-2.太陽支配-室がつながった!

a-4-1.ケートゥ

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a-1-1.インド式占星術

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