a-7-6.読解実践-11室ラーバ(結果)

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KNラオ著  清水俊介訳

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今回は11室の読み解きです。インドでは11室のことをラーバと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。11室は10室で表される行動の結果を表します。仕事の結果ということにもなるので、成果、利益、取得もこの室の分野です。

11室ラーバ(結果)

11室にある星座は牡牛座。牡牛座の支配星は金星。金星は11室水瓶座に位置しているため友好星座にいることになります。11室には星がありません。金星は4室も支配しています。ドリシュティするのは4室にある火星と9室にある土星です。

ここまでがクンダリーの11室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。牡牛座の場合は支配星である金星のグナなのでラジャスです。ドリシュティしている火星・土星共にはタマスです。この人の結果・利益はタマス優勢ラジャス混合ということになります。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。牡牛座は地、火星は火、土星は空となります。この人の結果・利益はパンチャブータにおいて・地・火・空の混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。牡牛座は金星のドーシャを使うことになるためカパ1/2・ヴァータ1/2となります。火星ピッタ、土星はヴァータです。合わせるとヴァータが1と1/2、ピッタ1、カパ1/2となり、ヴァータ優勢の3種混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。牡牛座なのでこの人の結果・利益は受動的ということになります。

5番目にカーストを見ます。牡牛座は商人(ヴァイシャ)、火星は戦士(クシャトリア)、土星はシュードラ(農民)となります。商人(ヴァイシャ)、戦士(クシャトリア)、シュードラ(農民)の3種混合です。

最期に吉凶を見ます。支配星である金星は吉、火星・土星共に凶です。全体としては凶優勢の混合となります。

まとめます。タマス優勢ラジャス混合なのでこの人の結果・利益は思い通りにならないことが多いでしょう。パンチャブータ(五元素)において地・火・空の混合なので、原料、触媒、加工が揃っており、結果・利益とも得られるでしょう。ドーシャ(体質)においてヴァータ優勢の3種混合であることから、莫大な利益を得たり大きな結果を残すことにはならないでしょう。カーストが僧侶(バラモン)、異邦人(ムレッチャ)を除くすべての階層となるので、結果そのものが自ら働くようなもの(複利)になりそうです。吉凶においては凶優勢の混合ですから、結果と利益において上手くいかない期間の方が長いでしょう。とは言え、金星期においては吉となります。

11室を支配する金星が4室をも支配していることから、土地や家、乗り物から結果や利益を得ることになります。そして、4室在住の火星がドリシュティしていることからその意味は強調されるでしょう。更に土星のドリシュティがあることと金星が土星支配星座にあることから、この人の結果や利益には遅れや縮小が現れるでしょう。更に、得られた結果・利益は金星が在住する8室が表す弱点・寿命に注がれることになります。

さて、11室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば金星が8室で共にいる水星の意味合いも結果・利益に反映させることになります。例えば水星は12室支配であることから海外からの収入などということです。しかし、牡牛座、支配星である金星、ドリシュティする火星・土星の本質があくまで主体となることをご理解ください。

参照記事

牡牛座

a-5-1.牡牛座

金星

a-3-7.金星(基礎)

火星

a-3-4.火星(基礎)

土星

a-3-8.土星(基礎)

次回は12室についてお話しします。

a-7-7.読解実践-12室ヴィアヤ(廃棄)

a-7-6.読解実践-11室ラーバ(結果)

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a-1-1.インド式占星術

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