a-2-3.ラーフとケートゥ

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

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空の星たちと違い、物質として存在しない点であるラーフとケートゥについてお話しします。クンダリ―(配置図)のどこにあるのか、そして、いつも逆行していることさえわかれば鑑定はできます。ですが、どうしてそのような点が存在するのかを理解しておくことは、ラーフとケートゥのイメージを記憶に固着させ、鑑定内容を深化させる上で重要になるでしょう。

黄道

地球から見た太陽の通り道を黄道と言います。地球の地軸が斜めになっている関係で、黄道は北半球と南半球にまたがっています。3月後半から9月後半は北半球、その反対は南半球と、太陽は地球の周囲を行ったり来たりしています。そのサイクルが一年という時間です。日本では、南半球から北半球に赤道を越えてやってくる日を春分、北半球から南半球に赤道を越えて移る日を秋分と呼んでいます。太陽が北半球にある時は北半球が強く照らされますし、南半球に太陽があれば南半球が受ける光の方が強くなります。季節の移り変わりは太陽の往来によって起こるのです。

白道

地球から見た月の通り道も地球の地軸とずれています。太陽より更に大きくずれているのが特徴です。太陽が空高く上る夏の満月は低く、太陽が低い位置を通る冬の満月が夜空の高い位置に登る理由はそこにあります。この月の通り道のことを白道といいます。これは話は脇道に逸れますが、水星から土星までの可視惑星も太陽・月とほぼ同じ道を通り、地球の周りを廻っているように見えます。つまりは地球を含めた可視惑星は太陽から見てほぼ同じ面の上を動いているわけですね。

昇交点・降交点

インド式占星術に関わらず、天文学全般において黄道と白道はとても大事な基準となっています。黄道と白道は地球から見て2か所で重なっており、その2か所は交点と呼ばれています。そして交点に太陽と月が同時に入る時に重大な天文現象が起きます。

一か所の交点に太陽と月が位置した時は、より地球に近い月が太陽を遮るため日食となります。つまり日食は新月の特殊な状況ということになります。

また、1か所に一つずつ、つまり2か所の交点に太陽と月が位置する場合は太陽の光を地球が遮って月に届かなくするために月食が起こります。つまり月食とは満月の特殊な状況ということになります。

二つの交点は地球の赤道と微妙にずれていて、片方は北半球側に、もう一方は南半球側に位置しつつ地球の周りを廻っています。北にある交点は昇交点、南にある交点は降交点と名付けられており、インド式占星術ではそれぞれラーフ、ケートゥと呼ばれています。尚、黄道と白道は線ですが、地球から見た太陽と月の幅の分だけ厚みを有しています。ですから交点付近に太陽と月があれば多少のずれがあっても日食月食は起こります。ずれが無い場合は皆既日食・皆既月食となり、ずれが大きければ部分日食・部分月食となるわけです。

神の象徴ともいえる太陽や月が突然光を失うのを見て、古代の人々はどのように感じたことでしょう。光を喰らうもの、闇を作り出すものの存在を想像するのは当然ですね。普段は何もないにも関わらず、太陽と月を隠すことで存在を示すラーフとケートゥは、龍の頭と龍のしっぽと考えられて恐れられました。今も未知なるものの象徴として空を漂っています。

ラーフとケートの読解については別記事を参照ください。

ラーフ

a-3-9.ラーフ

ケートゥ

 

次回は月の位置が元になった星宿(月宿)を取り上げます。

a-2-4.星宿(月宿)

a-2-3.ラーフとケートゥ

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a-1-1.インド式占星術

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