a-7-2.読解実践-7室ユヴァティ(配偶者と相棒)

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KNラオ著  清水俊介訳

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今回は7室の読み解きです。インドでは7室のことをユヴァティと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。尚、生まれ故郷以外の土地や海外も7室の分野です。

7室アリ(配偶者と相棒)

7室にある星座は山羊座。山羊座の支配星は土星。土星は魚座に位置しているため中立星座にいることになります。7室には2室を支配する太陽があります。太陽は敵対星座にいることになります。ドリシュティするのは4室にある火星と1室にある木星です。太陽と木星は相互ドリシュティです。

ここまでがクンダリーの7室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。山羊座の場合は支配星である土星のグナとなりタマスです。在住する太陽はサトヴァ、ドリシュティする火星はタマス、木星はサトヴァです。つまりサトヴァとタマスの混合です。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。山羊座は土、太陽・火星は火、木星は空です。この人の配偶者と相棒はパンチャブータにおいて火優勢の土・空混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。山羊座は土星のドーシャを使うことになるためヴァータとなります。太陽・火星はピッタ、木星はカパですので、ピッタ優勢の三種混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。山羊座なのでこの人の配偶者と相棒は受動的ということになります。

5番目にカーストを見ます。山羊座は商人(ヴァイシャ)、太陽・火星は戦士(クシャトリア)、木星は僧侶(バラモン)なので、戦士(クシャトリア)優勢の商人(ヴァイシャ)・僧侶(バラモン)混合となります。

最期に吉凶を見ます。土星は中立星座在住で本来的に凶、太陽は本質的に小凶の上、敵対星座にあるので凶、火星も凶、木星は最高星位で大吉です。全体として凶優勢となります。

まとめます。サトヴァ・タマス混合なのでこの人にとって配偶者と相棒は上手く行く時と行かない時が半々程度でしょう。パンチャブータ(五元素)において火優勢の土・空混合なので、材料と加工するエネルギー、そして触媒もあることになり結婚・事業等の結果を残せるでしょう。ドーシャ(体質)においてピッタ優勢の三種混合であることから、相手は中肉中背と言えるでしょう。受動的なので自ら何かを推進しようとはしない相手となります。カーストが戦士(クシャトリア)優勢の商人(ヴァイシャ)・僧侶(バラモン)混合なので受け身傾向ではあるものの言いなりになるタイプではありません。交渉相手であり、時に指導者としての役割も果たしてくれるでしょう。吉凶においては凶優勢ですから一緒にいて居心地の良い相手ではないでしょう。

さて、インド式占星術を学んでいると、2室を支配する星が7室に入ることについて、家庭外での性的交渉があるなどの表現が度々みられます。これは、本来の家族である2室の外でのパートナーシップと読めるからです。また、2室から見て7室が6室目であり、7室から見て2室が8室目であるため、いわゆる敵と寿命という良くない関係が見て取れます。他にも7室支配星が9室に入る場合、そこでの配置が良くないとモラルに反するパートナーシップと捉えられ、やはり家庭外での男女関係という読み解きにつながります。これは9室が希望であるとともに法を表し、そこにおいて配置が悪いことで法を犯すことを予見させるからです。そして、この場合はパートナーシップにおける法を外れることを意味するので、婚外交渉となるわけです。今回題材にしているクンダリーにおいては、タマスな行動をそそのかしそうな火星のドリシュティもその読みに拍車をかけそうな雰囲気があります。このクンダリーは私のものですが、実際に法を外れるような関係を結んだことは今のところありません。これは、7室に入っているのが山羊座であることで、7室の分野で土星の表意である縮小と遅れが生じること。入室する太陽と、相互ドリシュティする木星のどちらもがサトヴァであることで盲目的な行為に走ることはしないであろうこと。そして、最高度に達するサトヴァの木星が7室・9室両方をドリシュティしていることで、知性をもって凶意を制御しているからであろうと推測できます。このように、教科書的に悪く見えること、良く見えることどちらにおいても、今回のように打消しが入る可能性があります。星の配置を注意深く見ていく必要があることがお解りいただけることでしょう。

さて、7室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば火星が4室からドリシュティしていることで、家や乗り物と配偶者の結びつきなどが読めますしかし、山羊座、支配星である土星、在住する太陽、ドリシュティする火星・木星の本質があくまで主体となることをご理解ください。客体が主体以上に出しゃばって人生に現れることはありません。

参照記事

山羊座

a-5-9.山羊座

土星

a-3-8.土星(基礎)

太陽

a-3-2.太陽(基礎)

火星

a-3-4.火星(基礎)

木星

a-3-6.木星(基礎)

次回は8室についてお話しします。

a-7-3.読解実践-8室ランドゥ(弱点と寿命)

a-7-2.読解実践-7室ユヴァティ(配偶者と相棒)

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a-1-1.インド式占星術

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