a-3-6.木星(基礎)

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

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インドでは木星をグルと呼びます。アジアの国々を旅したことにある方はご存じの方もいらっしゃると思われますが、グルとは教師の事です。某宗教団体の影響であまり良いイメージではない「グル」という呼称ですが、本来悪い意味ではないのでご安心くださいね。西洋で作ったインド占星術ソフトではJu(ジュピター)インド式表記のソフトではGuと表記されます。どちらであっても見た途端に木星のことだとわかるようにしておくことが解読方法を身につける上で大切になります。

木星は火星よりも太陽から離れたところ回っています。公転周期は11.87年で、凡そ12年で地球の周囲を一周します。故に、行ったり来たりしながら一年にひとつずつ星座を渡って行きます。雑誌の星座占いで「今年の〇座は?」とあるのは大概において木星の位置から読んでいます。

木星は知識を表します。幸運や想像も木星の範疇ですが、これは「知識」があるからこそ、運を幸せに導くことができるから、想像も同様に知識を組み立てて次の段階を思い浮かべることに由来します。

グナ(気質)はサトヴァです。

パンチャブータ(五元素)空です。

ドーシャ(体質)はカパです。

古代インドの人々は星に性別をみていました。男性、女性、中性とある中で木星は男性です。

カーストはバラモン(僧侶)です。

占星術では星を個別に吉星・凶星と区分します。知識はたいていの場合物事を良い方向に向かわせるので木星は吉星と捉えられています。とは言え、知ってしまったが故に悩みも増えるのがこの世の定め。占星術における吉凶判断の難しさがここにあります。

7つの星は互いに仲が良かったり悪かったりします。一覧がこちらになります。そして、仲が良い星の支配星座にいる時は居心地が良く、仲の悪い星の支配星座にいる時は悪くなります。以下がその関係表です。今回木星が最高星位にあるため、最高星位・最低星位の表を再度掲載します。星の視線であるドリシュティについても再度表を掲示しておきます。

参照図において木星は1室の蟹座にあります。そして蟹座から5室・7室・9室を見ています。木星は蟹座、特に蟹座の0度から5度の間で最高度に働く最高星位となります。この参照図において木星は5度の少し手前である4度20分に位置しています。木星が表す知識という特徴は何の障害もなく参照図の持ち主に現れることになります。図のJuの後にRとあるのは、地球から見て木星が逆行していることを表します。逆行するとは、本来東から西に行くべき星が西から東に戻って見える現象を言います。

それでは知識という文言を使ってこの配置から読めることを言い表してみましょう。

1室は本人自身を表すのでこの人は知識があります。先に話した通り木星は最高星位にあります。木星が表す特徴は何の障害もなく現れるため、この人の知識は高度に発達するでしょう。ただしこの木星は地球から見て逆行しています。この人の有する知識は内側に向かい、外界に向けて披露されることはないでしょう。木星は1室から創造と息子を表す5室を見ています。この人の知識は自身の子供に向かい、また、何かを創造するでしょう。木星は7室も見ているのでこの人の知識は配偶者や相棒にももたらされるでしょう。更に木星は9室も見ています。9室はこの人の希望を表すため、自らの希望のためにこの人の知識は使われるでしょう。グナ(気質)がサトヴァなので純な人、パンチャブータ(五元素)の空は本人自身が何かを為すというよりは触媒としての資質、ドーシャ(体質)のカパにより平均以上の体格を持つことが見て取れます。

さて、これまでの星解説で触れなかった点について一つだけ。支配星座と在住星座の関係について書きます。

木星は射手座・魚座を支配しています。そこが本来の家であり、木星が他の星座にいる場合は家から出かけているということになります。それは射手座や魚座が位置する室の表すことを在住する室にもたらすことでもあるのです。参照図において、射手座は敵を表す6室と希望を表す9室を支配しています(射手座と魚座が6室と9室に位置しているため)。この場合、知識は敵と希望の両方を本人にもたらします。知識があるがゆえにしばしば敵を作ることがこの参照図から読めることになります。

これがインド式占星術における最も基礎的な読解です。

尚、支配星座と位置する室について考慮した読解は下記記事となります。

a-4-6.木星支配-室がつながった!

次回は金星についてお話しします。

a-3-7.金星(基礎)

a-3-6.木星(基礎)

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a-1-1.インド式占星術

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