a-1-6.ドーシャ(体質)

スポンサーリンク
インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

スポンサーリンク

インド式占星術では体質を重要視します。

インドにはアーユルヴェーダという学問分野があります。生命の学問という意味なのですが、元々インド亜大陸で利用されてきた医学だと考えていただいて良いと思います。このアーユルヴェーダにおいて体質調査無しでは何一つ処方できないほどに、体質の特定は重要なのです。

そもそも占いに求められる三大要素は何でしょう。そう、健康、恋愛、金銭です。体質は、健康はもちろん恋愛、間接的には金銭にも影響を及ぼします。体質について学び、理解することがインド式占星術においてとても重要なのですね。

前回の記事で知っていただいた5つのブータ(元素)は物質の構成要素として考えられています。このブータですが、その特徴が単独で人の個性に出てくることはありません。常に2つのブータが合わさることで一つの体質が現れます。体質は3つあるとされています。

空と風が合わさってヴァータという体質になります。

火と水が合わさってピッタという体質になります。

水と地が合わさってカパという体質になります。

この体質は個人の全体的な体質傾向を表すとともに、例えば呼吸はヴァータというように人の生命活動における領域をも表します。人が誕生し、生き、死んでいく上において、欠けても問題の無い体質は一つもありません。つまり一人の人間が一つの体質のみで形成されることはないのです。全ての人間が3つの体質全てを内包し、その時々で使い分けているのですね。その上で、人生の中で3つの内のどれを活動させることが多いのかで基本体質として把握されるものが決まることになります。結果として表に出てくる頻度が高いものが体質として認識され、それゆえにヴァータ、ピッタ、カパは体質という名前で分類されていることになります。

言わば、

幾多の「活動領域」→「使われる頻度の多少」差ができる→多く使われる領域の体質が「基本体質」として認識される。

この図式となるわけですね。

インド占星術において体質を見る場合は、個人における3つの体質の比率を見ることになります。そして、一番比率の高い体質をその人の持つ基本体質として考えます。人が病気になった時に、アーユルヴェーダでは「ドーシャ(体質)のバランスが崩れた」という表現をします。そして、基本体質を元にバランスを回復させる治療を施すわけですね。

それでは3つのドーシャ(体質)それぞれの特徴についてみていきます。

ヴァータ

空と風の元素を併せ持つことから、軽いこと、動くことを基本とします。例えば思考、呼吸、咀嚼、排せつなどがヴァータの領域になります。人から人への思考の伝達なども、そこに思考し伝達しようとするその人の個性があってこその行いになるのでヴァータの領域になります。基本体質がヴァータの人は、活発に動くこと、想像することを好みます。好みの対象が変わりやすく、体系も痩せたり太ったりと変化が大きい。活動が基本なので眠ることを減らし勝ちで、食事も決まった時間に食べるというよりは、お腹がすいたら夜中でも食べる傾向があります。会うたびに違う印象を受けることが多く、捉えどころがないと他人に感じさせる、そんな特徴を持っています。

ピッタ

火と水の元素を併せ持つことから、変化させること、流れること、熱いことを基本とします。例えば消化、吸収、代謝、結果としての発熱などがピッタの領域になります。時事問題でいうと免疫についても発熱を伴うので、やはりピッタの領域ですね。基本体質がピッタの人は、流れを起こすこと、熱を発生させることが重要になるので運動をよくします。消化したいので食べることも重要になります。怒ることで体温が上がりますから怒りの対象を探すのも必要になります。目に見えた変化を求めるので、結果として日焼けする行動も好きです。体温を維持し続けたい衝動があるので、トレーニングを継続できます。よって集中と継続ができる人です。重すぎず軽すぎず、やや幅が広く、身長が高くならない傾向が見受けられます。

カパ

水と地の元素を併せ持つことから、重いこと、遅いことを基本とします。構造そのもの、例えば、骨格、器官、脂肪などがピッタの領域です。基本体質がカパの人にとって、構造そのものがしっかりしていることが重要なので、動かないことを基本とします。怒ると身体の中で血流量が増えるので怒りません。変化を好まないため、穏やかに過ごせることを優先させます。言動もゆっくりしていて、固着させるのが好きなので記憶も長持ちします。背が高く肩腰が充実しています。そもそも動きたくないので脂肪が多い傾向があります。故に、外出を好まず、動きも少ないため皮膚は色白で肌のキメは細かい方が多いです。体温を上げたくなく、汗もかきたくないので温度湿度の高い場所を極度に嫌うでしょう。

先にも述べましたが、どれか一つの性質だけでは生命活動はできません。全ての人が3つの体質を併せ持ちますが、人によってバランスが違うのです。そのバランスの違いが個性であり、基本体質なのですね。最後ですが3つのドーシャ(体質)を総称して「トリドーシャ(3つの体質)」と呼びます。記憶のどこかに残していただけたら幸いです。

次回は能動性と受動性についてお話しします。

a-1-7.能動性と受動性

a-1-6.ドーシャ(体質)

ブログの最初に戻る。

a-1-1.インド式占星術

コメント