a-1-5.パンチャブータ(五元素)下

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物質には五つの性質があるとされています。インド式占星術ではこの世に存在するものは「空・風・火・水・地」五つの性質を内包していると考えられており、パンチャブータ(五元素)と総称されています。前回の記事で五元素の内、「地・水・火」について考えてみました。こちらについては普段目に見える形で存在しているので理解し易いと思います。

パンチャブータ(五元素)上

それでは、やや想像し辛い「空」と「風」について考えます。

ここまで鉄を生成するにあたって、地に当たるヘマタイト・砂鉄、それを熱する火が必要とされることを述べました。それでは地と火があれば鉄ができるのでしょうか。そうではないですね。必ず空気が必要になります。実はヘマタイト・砂鉄共に元から空気の要素を含んでおります。ヘマタイトは錆色、砂鉄は黒色ですが、どちらも酸化鉄だからです。ヘマタイト・砂鉄に含まれる酸素が加熱されることで空気中の酸素・炭素と結合して二酸化炭素となります。鉄分と結びついてた酸素が原料から取り除かれることで鉄が出来上がるわけですね。

もちろん火を起こすにはそもそも空気が必要です。直接原料に何かを働きかけるわけではないものの、生成過程において無くてはならない要素として「空」が存在するわけですね。「空」という字を見ると何気なく空間というように捉えてしまいがちです。私としては「酸素」として考えた方が理解し易いように思います。酸素は生物が生きていく上でなくてはならない媒体です。酸素があってこそ、生物は生きていられる。それと共に、酸素は老化の原因でもあります。なぜなら老化はすなわち酸化だからです。私たちの身体は日々錆びていきます。そこから逃れられる人はいません。「空」は生きて行く上で必要、且つ、死に導いていく要素として捉えられると性質・役割の理解がし易いでしょう。

では、物質を生み出す「水」、ヘマタイト・砂鉄として存在する「地」、熱を加えて物質を変容させる「火」、そして「空」があれば鉄が出来上がるのか、答えは否です。地、火、空がそれぞれ個別にそこに存在するだけでは何も変わらず、何も生まれません。火で熱せられた地に空を送り込む風があってこそ、鉄ははじめて生成され得るのですね。「風」働きかけるもの、何かの背中を押す動機となるものと考えると形の無い風も捉えやすくなると思います。。

余談ではありますが「原料」「火」「空気」「風」があって物ができるなんて当たり前とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、決して当たり前ではありません。陶器や磁器などの焼き物に詳しい方はご存じかと思いますが、陶磁器に火を入れる最終段階において炭から炎を出さない還元炎という方法をとります。陶磁器という身近な道具を作る上で酸素はむしろ邪魔な存在となるわけですね。そのようなことを考えますと、インド式占星術の成立時期は、鉄が発明された時期と重なっているのかもしれませんね。

さて、「空・風・火・水・地」の五元素の性質と役割について、何となくでもイメージが湧くようになっていただけたら嬉しいです。今後、星という要素、星座という空間の持つ個性を考えていく上で、パンチャブータ(五元素)が欠かせないものとなります。簡単にいうと、先に記事にしたサトヴァ・タマス・ラジャスという三つのグナ(気質)と「空・風・火・水・地」等パンチャブータ(五元素)、更には次回以降お話しさせていただく「ヴァータ・ピッタ・カパ」というトリドーシャ(三つの体質)のうち、どの要素がそこにあるかで星と星座の個性が決まるということなのです。もちろん星と星座の個性がわからないとインド式占星術は使えません。

皆さん今後は身近にある物が五元素の何に当てはまるのか考えてみてください。そうすることでインド式占星術に対する理解が深まっていくでしょう。

次回はドーシャ(体質)についてお話しします。

a-1-6.ドーシャ(体質)

a-1-5.パンチャブータ(五元素)下

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a-1-1.インド式占星術

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