a-6-5.読解実践-1室タヌ(自己)

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KNラオ著  清水俊介訳

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これまで星、室、星座について基礎的なことを学んできました。基礎とは土台なので最も重要です。今後、クンダリー(配置図)を読み解くにあたって、これまで学んだ事を上手く運用できさえすれば本質的な部分の読解においては充分対応できるでしょう。

それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。尚、星の配置図を見た時にたとえ目立つ配置があったとしても、必ず1室から読んでいく癖をつけましょう。

1室タヌ(自己)

1室にある星座は蟹座。蟹座の支配星は月。月は天秤座に位置するため中立で、太陽に近づいて行く時なので欠けていく月となる。1室にいる星は最高星位の木星。木星が支配する射手座と魚座があるのは6室敵・9室希望。ドリシュティする星は太陽。太陽は7室山羊座にあるので敵対星座にいることになる。

ここまでがクンダリーの1室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。蟹座の場合は支配星である月のグナなのでサトヴァです。入室している木星もサトヴァ、ドリシュティしている太陽もサトヴァです。この人の気質はサトヴァであるということになります。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。蟹座は水、木星は空、太陽は火となります。この人はパンチャブータにおいて水・空・火の混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。蟹座は月のドーシャを使うことになるためヴァータ1/2とカパ1/2、木星はカパ、太陽はピッタです。この人の体質はカパが1と1/2、ピッタが1、ヴァータが1/2となり。カパ優勢の混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。蟹座なので受動的な人ということになります。

5番目にカーストを見ます。蟹座はバラモン(僧侶)、木星はバラモン(僧侶)、太陽はクシャトリア(戦士)となります。バラモンとしての資質が強く、そこにクシャトリアとしての行動力が加わります。

最期に吉凶を見ます。欠けていく月は小凶、最高星位の木星は大吉、敵対星座の太陽は凶となるので、吉凶混合の凡そ中立とみなしてよいでしょう。この内の吉は木星がもたらします。木星なので具体的な吉は知性となります。ただし、木星が6室・9室を支配していることから、この人の知性は何かを為す・何かに成るという希望と共に、敵をもこの人自身にもたらすでしょう。

ここに挙げた中で人の性質を表しやすい項目はグナ(気質)、ドーシャ(体質)、そしてカースト(立場)と言えます。

この人のグナ(気質)サトヴァなので、周囲の状況が良く見えて的確な状況判断をする人と言えます。

ドーシャはカパ優勢の混合なので、身体はやや大きめ(カパ)で、ほどほどに筋肉もついている(ピッタ)ものの、太りすぎることはない(ヴァータ)となります。

カーストはバラモン優勢です。バラモンは僧侶ですが、教育者や研究者としての顔を持ちます。クシャトリアも1/3入っているため、修行や学びを主体としつつ、学ぶだけで飽き足らず、自らが得た知識を利用して、何かを成し遂げようという意思が働くでしょう。

さて、1室だけでこれだけのことを読めました。ここまでで必要な能力は文章の読解力・記憶力と簡単な足し算だけです。(例:バラモン+バラモン+クシャトリア)簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば太陽がいるのが山羊座なので、山羊座や山羊座の支配星である土星の特徴も太陽を通して1室に反映されるからです。更に言うと、月がいる天秤座の支配星である金星や、太陽が支配している獅子座をドリシュティしている水星と金星の特徴も細かく言えば反映されます。とは言え、実際に1室にある蟹座・木星やドリシュティしている太陽に比べればわずかなものです。あくまで主体はその室に位置する星座、入室する星、ドリシュティする星であるとご理解ください。

参照記事

a-3-3.月(基礎)

太陽

a-3-2.太陽(基礎)

木星

a-3-6.木星(基礎)

蟹座

a-5-3.蟹座

次回は2室についてお話しします。

a-6-6.読解実践-2室ダーナ(生家族)

a-6-5.読解実践-1室タヌ(自己)

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a-1-1.インド式占星術

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