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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。
日本では竜頭、英語圏ではドラゴンヘッド、インドではラーフと呼びます。ラーフがどういうものなのかは以下の記事でお読みください。
西洋で作ったインド占星術ソフトでもインド式表記のソフトでもRaと表記されます。
尚、西洋占星術のソフトでは下記のような記号となっております。一番大きな半円を絞った形のものも多いです。月軌道と太陽軌道の交点と考えれば、下の絵の方が本来の意味に近いでしょう。
呼び方や記号は違いますが、対象となる空の点としては同一です。天空を一周する周期は約18.6年です。一つの星座を1.5年強かけて30度から0度に向かって移動します。土星の次にゆっくり動く点です。他の星と違い、東から西ではなく、ほとんどの場合において西から東に動いていくため、R(リターン)と表記されることはありません。
Raという記号を見た途端にラーフのことだとわかるようにしておくことが、解読方法を身につける上で大切になります。
ラーフは土星とよく似た性質を表すとされています。忍耐・遅延・労働とある中で労働を第一に挙げるとわかりやすいと思います。性質は土星に似ていますが、ラーフは木星の真似をして拡大しようという意欲を持っています。これについても、荒野を耕して畑に変えていくイメージを持つとわかりやすいでしょう。ただし、実際に作物を植えて収穫することはラーフの範疇外です。
グナ(気質)はタマスです。
パンチャブータ(五元素)ありません。パンチャブータが無いという事はどういうことなのでしょう。考えてみてくださいね。
ドーシャ(体質)はヴァータです。
古代インドの人々は星に性別をみていました。ラーフは星ではありませんが、やはり性別を持っています。男性、女性、中性とある中でラーフは女性です。
カーストはアウトカースト(異邦人)です。
占星術では星を個別に吉星・凶星と区分します。ラーフは土星に似ていることから凶と捉えられています。とは言え、入る室としては吉と考えられる場合もあります。具体的には1・4・5・7・9・10室に入ると吉、そうでなければ凶とされます。ですが、本人がどういう生き方を好むかで吉凶は変わります。占星術における吉凶判断の難しさがここにあります。
7つの星は互いに仲が良かったり悪かったりします。ラーフと他の星に仲の良い悪いはありません。ただし、こと太陽と月に限っては、ラーフやケートゥを一緒にいるのを嫌がります。何故なら太陽は新月の時、月は満月の時にラーフとケートゥに食べられてしまって天空から消えてしまうからです。ラーフの方が太陽や月を嫌がるということはありません。最高星位・ムーラトリコーナ・最低星位はラーフにもあるので、ここではそちらの図を再掲します。ラーフは牡牛座において居心地が良く、次いで双子座でもくつろげます。蠍座では居心地が悪いと感じることになります。
ラーフは自身が入っている室から数えて5室・7室・9室をドリシュティしています。鑑定においてはこちらも考慮しましょう。
参照図においてラーフは10室の牡羊座にあります。牡羊座の支配星は火星です。これは特に居心地には関係ありません。ラーフは自身のいる星座から数えて5番目、7番目、9番目の星座にドリシュティ(見る)します。これは木星の真似をしているのだといわれております。9番目のドリシュティの先は2室獅子座です。7番目のドリシュティは4室天秤座です。天秤座には火星・ケートゥ・月が居て、ラーフはこちらも見ています。9番目のドリシュティは6室射手座です。2室は生家族、4室は家と乗り物、6室は敵を表します。自身の位置する10室行動についてラーフの意味する労働が出ることを意味します。
それでは労働という文言を使ってこの配置から読めることを言い表してみましょう。
10室は行動を表すので、この人は行動するために労働します。行動と労働は傾向が似ていますが同一ではありません。行動そのものが目的となり、そのために働くということです。2室は生家族です。生まれの家族に向けて労働することになります。6室は敵を表すので、この人は敵に向けて労働するでしょう。どのように労働するかと言えば力の火星支配星座に居ることから、力強く働きかけることとなります。
テレビタレントで、急に人気者になる方がいらっしゃいます。多くの場合、ラーフの表示が協調される期間となります。ラーフの期間を過ぎるとその間に働いて得たものは無に帰すと言われています。これは土地を耕して畑を拡大することにだけ力を注ぐことに似ています。畑は作物を植え続けない限りいずれ荒野に戻ります。労働したらそれを結実させる働きかけをすることで、ラーフの労働を活かす生き方をしたいものですね。
これがインド式占星術における最も基礎的な読解です。
次回はケートゥについてお話しします。
a-3-9.ラーフ
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