a-7-4.読解実践-9室ダルマ(希望)

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KNラオ著  清水俊介訳

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今回は9室の読み解きです。インドでは9室のことをダルマと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。9室は「こう成りたい」「こうありたい」という希望を表すと共に、法の意味を持ちます。これは、国を一つの個体と考えると「こうありたい」と考えることを法律としていくことから、納得がいきます。

9室ダルマ(希望)

9室にある星座は魚座。魚座の支配星は木星。木星は蟹座4度20分に位置しているため最高星位にいることになります。9室には7室・8室を支配する土星があります。土星は中立星座にいることになります。ドリシュティする星は1室にいて支配星である木星です。

ここまでがクンダリーの9室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。魚座の場合は支配星である木星のグナとなりサトヴァです。在住する土星はタマスです。ドリシュティする木星はサトヴァです。つまりサトヴァ優勢タマス混合です。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。魚座は水、土星は空、木星も空です。この人の希望はパンチャブータにおいて空優勢の・水混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。魚座は木星のドーシャを使うことになるためカパとなります。土星はヴァータ、木星はカパです。全体としてカパ優勢ヴァータ混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。魚座なのでこの人の希望は受動的ということになります。

5番目にカーストを見ます。魚座は僧侶(バラモン)、土星は農民(シュードラ)、木星は僧侶(バラモン)なので、僧侶(バラモン)優勢農民(シュードラ)混合となります。

最期に吉凶を見ます。土星は中立星座在住で本来的に凶、木星は最高星位にあり大吉、全体として吉優勢となります。

まとめます。サトヴァ優勢・タマス混合なので、この人の希望は崇高な部分を主体としつつ盲目的な部分も併せ持つでしょう。パンチャブータ(五元素)において空優勢・水混合なので、やりたいことがあるものの、思いが実態となることは難しいようです。ドーシャ(体質)においてカパ優勢ヴァータ混合であることから、希望は大きくシンプルでしょう。受動的なので積極的に希望を達成するというよりは、誰かに請われてやりたいことを進めることになります。カーストが僧侶(バラモン)優勢農民(シュードラ)混合なので、理論主体で実務も行うでしょう。吉凶においては吉優勢ですから、この人の希望は概ね良い方向に向かうでしょう。

さて、9室支配星である木星が1室にあることは、9室から数えて5室に支配星が入ることになります。これは希望の分野で創造がなされることになり通常良い表示です。更に、この木星が自身の支配星座である魚座をドリシュティしています。通常、星が自身の支配星座に在住したりドリシュティすることは良い事です。この場合、希望に対して知性をもたらすことになります。ただし、木星は敵を表す6室を支配することから、希望に敵をもたらすことでもあります。この部分は辛いところと言えるでしょう。また、7室・8室を支配する土星が9室にあるということは、配偶者や生命に関わることがこの人の希望に影響力をもたらすことを意味します。そして、土星であることから縮小・遅れの意味があります。この人の希望は縮小され、遅れてやってくることでしょう。そしてこの土星が11室をドリシュティしていることから、11室が表す結果も縮小・遅れがみられるでしょう。ただし、木星が表す拡大の表示も出るため、この縮小・遅れはある程度緩和されることでしょう。

この人が抱える法という観点でも同じことが言えます。

さて、9室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば土星が支配する山羊座に太陽、水瓶座に水星・金星が入っていることも9室が示す希望に対して何らかの影響をもたらすでしょう。太陽が支配星である木星をドリシュティしていることもまたしかり。しかし、魚座、支配星である木星、在住する土星の本質があくまで主体であり、そこから読むことが大事です。細かい読解に敏感になり過ぎないように気をつけましょう。

参照記事

魚座

a-6-2.魚座

木星

a-3-6.木星(基礎)

土星

a-3-8.土星(基礎)

次回は10室についてお話しします。

a-7-5.読解実践-10室カルマ(行動)

a-7-4.読解実践-9室ダルマ(希望)

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a-1-1.インド式占星術

コメント

  1. 寄り道初学者 より:

    ug様

    こんばんは、先日コメントさせていただきました、寄り道初学者です。
    コメントの返信を頂き、ありがとうございました。

    早速ですが、質問がございます。

    質問.【a-7-4.読解実践-9室ダルマ(希望)】
    ~グナを分析する箇所について~

    『最初にグナ(気質)を見てみましょう。魚座の場合は支配星である木星のグナとなりサトヴァです。在住する土星はラジャスです。ドリシュティする木星はラジャスです。つまりラジャス優勢タマス混合です。』

    上内容について、ラジャス優勢サトヴァ混合ではないのは、何故なのでしょうか?
    在住星である土星の影響なのでしょうか?

    毎日こつこつサイトを読ませていただき、ようやくaカテゴリーの投稿読了間近となりました。
    数あるサイトの中でも、ダントツに分かりやすい内容だと感じています。
    PAC分析の理解に大変参考になっております。

    読解実践の解説、本当にありがとうございます。

    • ug(ゆーじ) より:

      寄り道初学者さんコメントありがとうございます!(^^)
      >『最初にグナ(気質)を見てみましょう。魚座の場合は支配星である木星のグナとなりサトヴァです。在住する土星はラジャスです。ドリシュティする木星はラジャスです。つまりラジャス優勢タマス混合です。』

      >上内容について、ラジャス優勢サトヴァ混合ではないのは、何故なのでしょうか?
      >在住星である土星の影響なのでしょうか?

      こちらについてですが、土星のグナはラジャスではなくタマスが正解です。そして、ドリシュティ木星も支配と一緒でサトヴァです。私が書き間違えておりました。
      木星支配星により1サトヴァ、土星在住により1タマス、木星ドリシュティにより1サトヴァなので併せると2サトヴァ1タマスとなります。
      結果として、サトヴァ優勢タマス混合となるわけです。
      大変失礼しました。m(_ _)m
      記事は修正致しました。
      他にもこのような間違いがあるかもしれないので、
      何かお気付きになられましたら
      何なりと仰ってくださいね。
      助けていただいてありがとうございます!m(_ _)m

      >毎日こつこつサイトを読ませていただき、ようやくaカテゴリーの投稿読了間近となりました。
      >数あるサイトの中でも、ダントツに分かりやすい内容だと感じています。
      >PAC分析の理解に大変参考になっております。

      お褒めの言葉を頂戴致しまして恐縮です。
      これからも精進して頑張ってまいります。
      ありがとうございました。(^^)9