a-7-3.読解実践-8室ランドゥ(弱点と寿命)

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KNラオ著  清水俊介訳

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今回は8室の読み解きです。インドでは8室のことをランドゥと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。弱点と寿命とはすなわち生命と考えて良いでしょう。

8室ランドゥ(弱点と寿命)

8室にある星座は水瓶座。水瓶座の支配星は土星。土星は魚座に位置しているため中立星座にいることになります。8室には3室・12室を支配する水星と4室・11室を支配する金星があります。水星は中立、金星は友好星座にいることになります。ドリシュティする星はありません。

ここまでがクンダリーの8室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。水瓶座の場合は支配星である土星のグナとなりタマスです。在住する水星はラジャス、金星はラジャスです。つまりラジャス優勢タマス混合です。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。水瓶座は空、水星は地、金星は水です。この人の弱点と寿命はパンチャブータにおいて空・地・水混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。水瓶座は土星のドーシャを使うことになるためヴァータとなります。水星はヴァータ1/3・ピッタ1/3・カパ1/3、金星はカパ1/2・ヴァータ1/2です。全体としてヴァータ1+5/6、カパ5/6、ピッタ1/3の順でヴァータ優勢の三種混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。水瓶座なのでこの人のは弱点と寿命において能動的ということになります。

5番目にカーストを見ます。水瓶座は農民(シュードラ)、水星は商人(ヴァイシャ)、金星は僧侶(バラモン)なので、農民(シュードラ)、商人(ヴァイシャ)、僧侶(バラモン)混合となります。

最期に吉凶を見ます。土星は中立星座在住で本来的に凶、水星は中立星座にあり金星と同室なので吉、金星は友好星座にあることもあり本質的な吉となります。全体として吉優勢となります。

まとめます。ラジャス優勢・タマス混合なのでこの人は弱点と寿命に対して何らかの働きかけをするでしょう。時々身体に良くないこともしてしまいます。パンチャブータ(五元素)において空・地・水混合なので、基本的に素材に近い状態で、徹底的に身体改造する人ではないでしょう。ドーシャ(体質)においてヴァータ優勢の三種混合であることから、太く短くよりは細く長く生きるタイプでしょう。能動的なので自らの身体的弱点や寿命に対して何らかの働きかけをするでしょう。カーストが農民(シュードラ)、ヴァイシャ(商人)、僧侶(バラモン)混合、生命についての知識を持ち合わせていて、身体に良い物を売り買いしたり、生命力を育むための運動をするでしょう。吉凶においては吉優勢ですからそれなりに健康的で長生きでしょう。

さて、今回は水星・金星二つの星が入室していることから、関連する室が多くなります。水星が支配する3室から見て8室は6室目となります。これは敵、弱点と寿命の関係を持つことになり3室にとって良い配置とは言えません。実際にugには年下の兄弟はおりません。金星が支配する4室からみて8室は5室にあたるため、創造と希望の関係となります。金星という生来的吉星であることもありこれは良い点です。ただし、そもそも8室は弱点であり手放しで良いと言える室ではありません。8室金星入室はそれほど悪くないと考える程度となりそうです。8室を支配する土星が9室に入ることは弱点と寿命という観点では良いことです。ですが、9室から見て8室は12室目であり、希望を廃棄することでもあります。9室は父親を表す室でもありますから、父親が健康を害するか、あるいは父親から離れて暮らす可能性があるでしょう。ただし、最高星位の木星によるドリシュティのお陰でこの凶意は緩和されるでしょう。11室を支配する金星が8室に入ることは、11室から見て8室は10室目であることから10室4室の関係が生まれます。これも悪くはなく、結果を得るための行動をする傾向が見て取れます。とは言え、やはり結果と弱点が繋がることでもあることから、良い結果が得られ辛いでしょう。12室支配の水星が8室に入ることは9室5室の関係であり、希望と創造が見て取れます。12室支配星が入る室としては8室は最も良いでしょう。このように、多面的に考えることがインド式占星術においては重要です。良いこと悪いことどちらかに完全に傾くことはまれと言っても良いことをご理解ください。

さて、8室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば水星・金星が支配する3室・11室を土星がドリシュティしております。つまり水瓶座を支配していることに加えて、在住星が土星の質を土台としていることが解かるわけです。これは、本来は吉傾向の大きい水星・金星のコンビネーションに縮小遅れが出るとことを意味します。ですが土星には木星のドリシュティがあることから土星の凶意は知性で緩和されることになります。つまり縮小と遅れが出るものの害は軽微とわかります。細かく読めることに恐れを抱く方もいらっしゃるでしょう。しかし、水瓶座、支配星である土星、在住する水星・金星の本質があくまで主体です。細かい点にこだわりすぎないように、主体をしっかり読むことが大事です。

参照記事

水瓶座

a-6-1.水瓶座

土星

a-3-8.土星(基礎)

水星

a-3-5.水星(基礎)

金星

a-3-7.金星(基礎)

次回は9室についてお話しします。

a-7-4.読解実践-9室ダルマ(希望)

a-7-3.読解実践-8室ランドゥ(弱点と寿命)

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a-1-1.インド式占星術

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