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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
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今回は6室の読み解きです。インドでは6室のことをアリと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。尚、本人を攻撃するものとして病も6室の分野です。
6室アリ(敵)
6室にある星座は射手座。射手座の支配星は木星。木星は蟹座4度20分に位置しているため最高星位にいることになります。6室には星はありません。木星は9室も支配しています。ドリシュティするのは9室にある土星と10室にあるラーフです。
ここまでがクンダリーの6室から読み取れる情報です。
ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。
最初にグナ(気質)を見てみましょう。射手座の場合は支配星である木星のグナとなりサトヴァです。土星・ラーフ共タマスなので、タマス優勢、サトヴァの混合です。
次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。射手座は火、土星は空です。この人の敵はパンチャブータにおいて火と空の混合となります。
3番目にドーシャ(体質)を見ます。射手座は木星のドーシャを使うことになるためカパとなります。土星・ラーフはヴァータですのでヴァータ優勢、カパ混合ということになります。
4番目は能動受動を見ます。射手座なのでこの人の敵は能動的(活用)ということになります。
5番目にカーストを見ます。射手座は戦士(クシャトリア)、土星は農民(シュードラ)、ラーフは異邦人(ムレッチャ)ですので戦士(クシャトリア)・農民(シュードラ)・異邦人(アウトカースト)の混合となります。
最期に吉凶を見ます。木星は最高星位なので大吉、土星は中立星座にいて凶、ラーフについては本来的には凶ですが、10室にあるため吉。全体として吉優勢の混合となります。
まとめます。タマス優勢サトヴァ混合なのでこの人にとって敵は思い通りにならないことが多いでしょう。パンチャブータ(五元素)において火と空なので、元になる材料の無いところで攻撃をしかけてくることになります。結果、攻撃してくるものの成果がないということになります。ドーシャ(体質)においてヴァータ優勢カパ混合であることから、それほど大きな敵はいないでしょう。能動的なので、積極的に攻撃をしかけてきます。カーストがクシャトリア・シュードラ・ムレッチャなので上司よりは部下からの攻撃が多いようです。別の分野の人から突然の攻撃を受けることがあります。吉凶においては吉優勢の混合ですから、時々足を引張られつつ最終的には乗り越えます。
6室は敵であることから本質的に良くない室です。支配星が1室にあるということは、6室から数えて8室目(弱点・寿命)にあることになり、本来的には良くありません。先に述べたように病も6室の表示であることから、もし支配星が悪い状態に置かれているのであれば、この人は敵や病に悩まされるでしょう。土星がドリシュティしていることから、それほど大きな敵はいなく、遅れてやってくるでしょう。とは言えラーフがドリシュティしていることもあり、ちょっとしたことで大騒ぎされる傾向も見て取れます。たまたま支配星である木星が最高星位であることから、敵や病に対して適正な知識をもって対処するでしょう。一般的な戦いと同じく、議論(論戦)も6室が表します。この人は議論を好み、木星支配であることから理論・理屈を最優先する性質を持っています。度々病に侵されるものの、やはり知識を用いて対処する傾向が見て取れます。
さて、6室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)
ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えばドリシュティする土星が7室・8室を支配しつつ9室にあることから、妻や生命が希望となり、希望をもって敵にあたる。また、10室ラーフがドリシュティしているので、敵の対応が仕事になることもこのクンダリーから読むことができます。これについては実際に、企業内でクレームをつける人が現れると対応を任される経験が非常に多いことからも当たっています。しかし、慣れるまでは主体である射手座、支配星である木星、ドリシュティする土星・ラーフの本質について読めば充分です。細かい点に囚われすぎないようにしましょう。
参照記事
射手座
木星
土星
ラーフ
次回は7室についてお話しします。
a-7-1.読解実践-6室アリ(敵)
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