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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。
1 パラシャラはマイトレーヤに次のように語っています。
素晴らしいブラフミンよ。今度はあなたの前で、バーヴァ・ラグナ、ホーラ・ラグナ、ガティ・ラグナと名付けられたアセンダントについて、それぞれ説明しましょう。
2-3 バーヴァ・ラグナ:日の出から始まり誕生時間まで、5ガティごとに1つのラグナを構成します。それがバーヴァ・ラグナです。 したがって、誕生時間を5で割って、日の出時と同じように商(割り算の結果)を太陽の経度に追加すると、 それがシュパシュタ・バーヴァ・ラグナになります。
4-5 ホーラ・ラグナ:同様に、おー、ブラフミンよ。日の出から(誕生時間まで)2 と1/2ガティごとに繰り返されるラグナは、ホーラ・ラグナという名前で話されています。 したがって、イシュタカーラのガティとパラは2倍され、その積は5で除算(割り算)され、その商が日の出時の太陽の度数に加算されます。 結果はシュパシュタ・ホーラ・ラグナです。
6-8 ガティ・ラグナ:ブラフミンの内、優れた者よ、私の言うことを聞いてください。私はガティ・ラグナについてあなたに語ります。 日の出から始まり誕生時間まで1ガティカ単位に徐々に通過するラグナは、ナラダや他の賢人によってガティカ・ラグナとして言われてきました。 したがって、通り過ぎたラーシ(星座)の数とガティの数が(またはガティカ・ラグナ)等しいと考えてください。パラの半分、つまり2で割ったパラは度数となります。 そのように算出されたラーシと度数は、日出の太陽度数に追加され、それがシュパシュタ・ガティ・ラグナになります。
9 特別なアセンダントの効用:バーヴァ、ホーラ、ガティラグナの出生図は、個別に書かれるか、用意されます。 惑星は、そのラグナの出生図毎に星座に配置する必要があります。
用語
- アセンダント:星と星座の配置図を読む際に基準となる天空の点(このChapterに限る)
- マイトレーヤ:パラシャラの弟子である僧侶
- ブラフミン:僧侶(ここではパラシャラの弟子であるマイトレーヤを意味する)
- バーヴァ・ラグナ:精神的・エーテル(空間を満たすエネルギー)体と多くの関係があり、精神的なレベルで私たちに影響を与える悪善を示しているとされている
- ホーラ・ラグナ:金銭について読み取ることのできるラグナとされている
- ガティ・ラグナ:個人の力と権威を読み取ることのできるラグナとされている(社会における個人の地位やキャリア)
- 1ガティ:24分
- パラ:24秒
- スパシュタ:経度、星座帯における度数
- シュパシュタ・バーヴァ・ラグナ:固定星座帯におけるバーバ・ラグナの位置
- イシュタカーラ:日の出の時間と出生時間の差
- シュパシュタ・ホーラ・ラグナ:固定星座帯におけるホーラ・ラグナの位置
- ガティカ:ガティと同義
- ナラダ:古代インドにおける賢人の一人
- シュパシュタ・ガティ・ラグナ:固定星座帯におけるガティ・ラグナの位置
※用語の意味については間違っている可能性があります。今後も情報集めをして、判明し次第訂正していきます。
解説
バーヴァ・ラグナはイシュタカーラ(出生時間と日の出時間の差)を5で割った値を誕生日の日出時の太陽度数に足すことで得られると言われています。
ホーラ・ラグナはイシュタカーラを2倍して5分割した値を誕生日の日出時の太陽度数に足すことで得られると言われています。ホーラ・ラグナが蟹座と獅子座にある場合は、金銭に関わることを読み取ることができないとの説もあります。
例(ug)
- 誕生日の日出時間AM6:50
- 誕生日の日出時ラグナ及び太陽度数:山羊座18度58分
- イシュタカーラ11時間10分→27ガティ55パラ→27度55分に置き換え
計算
27度55分×2÷5=(1620分+55分)×2÷5=1675分×2÷5=670分=11度10分
誕生日の日出時太陽度数である山羊座18度58分にこの度数を足す
ホーラ・ラグナ:水瓶座0度8分
ガティ・ラグナはイシュタカーラをガティとパラに変換し、その内のガティを1星座(30度)として、パラを2で割った値をそれに続く度数として、誕生日の日出時の太陽度数に足すことで得られると言われています。尚、1星座が通過するには5ガティ(120分)を必要とするため、6-8詩句における日出時から誕生時間までのガティとその間に通過する星座が同数との記述は、実際上は間違いであり、同ラグナを算出するにあたって過ぎ去ったガティと足されるラーシ(星座)の数が同数であると言いたいのだと思われます。
バーヴァ、ホーラ、ガティそれぞれの特別なラグナ毎にクンダリー(配置図)を作り、星の位置も書き込むことで、占星術家の鑑定をより正確なものにできると賢者パラシャラは述べております。
参照記事
※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはノートとしてわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるため以後のChapterでノート部分の翻訳を掲載することはありません)
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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes
次回は
b-7-9.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント10-12
となります。
※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。
※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。
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b-7-8.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント1-9
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