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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。
7-8 ラーシ、または、星座の3分の1は、ドレッカナと呼ばれます。これらは36あります。牡羊座などの星座には、ドレッカナが3つ数えられます。最初のドレッカナはその星座自体が所有し、2番目はその星座から5番目の星座が所有し、3番目はその星座から9番目の星座が所有します。 可動星座、固定星座、二重星座のドレッカナの主は、それぞれ、ナラダ、オーガスタ、ドゥルヴァシャです。
用語
- ラーシ:星座
- ドレッカナ:3分割
- ナラダ:ヒンドゥー教における創造神であるところのブラフマの化身
- オーガスタ:古代インドの賢者アガスティヤ(アガスティア)のこと
- ドゥルヴァシャ:ヒンドゥー教における創造神であるところのシヴァの化身
解説
12星座はそれぞれ3分割することができ、その1つずつに星座(副星座)が当てはめられます。例えば獅子座の0度から10度直前までは獅子座、10度から20度直前までが獅子座から数えて5番目の星座である射手座、20度から30度直前までが獅子座から数えて9番目の星座となる牡羊座というようにです。そして、3つに分けられた領域の1つずつをドレッカナと呼びます。全天は360度、12星座ありますから1つの星座は30度、それを3分割するので1ドレッカナは10度の幅を持っているということになります。
パラシャラの説明にしたがって、10度毎に副星座を当てはめると下図のようになります。
各星座が基礎的に保持している可動、固定、二重の別も、そのまま当てはめられます。
ugのクンダリー(出生図)で考えてみましょう。
- ラグナ(Ascendant):蟹座の28度22分→魚座、二重
- 太陽:山羊座19度26分→牡牛座、固定
- 月:天秤座24度43分→双子座、二重
- 火星:天秤座3度44分→天秤座、可動
- 水星:水瓶座0度17分→水瓶座、固定
- 木星:蟹座4度20分→蟹座、可動
- 金星:水瓶座9度51分→水瓶座、固定
- 土星:魚座3度18分→魚座、二重
- ラーフ:牡羊座18度8分→獅子座、固定
- ケートゥ:天秤座18度8分→水瓶座、固定
これを星座毎に再構成します。
- 牡羊座:無し
- 牡牛座:太陽
- 双子座:月
- 蟹座:木星
- 獅子座:ラーフ
- 乙女座:無し
- 天秤座:火星
- 蠍座:無し
- 射手座:無し
- 水瓶座:水星、金星、ケートゥ
- 魚座:ラグナ、土星
この情報を図化してドレッカナ・クンダリーを作ります。ドレッカナからは年下の兄弟についてや自然(環境)について読み取ることができると言われています。
ドレッカナからは行動についても読み取ることができるとされています。可動、固定、二重の別を見てみましょう。
- 可動:火星、木星
- 固定:太陽、水星、金星、ラーフ、ケートゥ
- 二重:ラグナ、月、土星
基礎的性質としての可動、固定、二重には、それぞれ以下のような特徴があるとされています。
- 可動に星が集まる人は、頻繁に旅行する、遊び心がある、機知に富んでいるとされています。
- 固定に星が集まる人は、勇気と独立性を得る、頭脳レベルが高い、自己決定力がある、勤勉、縁起の良い言葉を話す、完璧に仕事を成し遂げるために一生懸命働くとされています。
- 二重に星が集まる人は、本質的に少し攻撃的である可能性がある、率直、忍耐力がない、感情的、勤勉さと献身でラグジュアリーという意味での成功と喜びを達成すると言われています。
ただし、この読解はあくまでドレッカナという副星座における読解であり、普段の行動を見るためには、主星座となるジャンマ・クンダリー(出生図)における可動、固定、二重の別を見る必要があることを肝に命じましょう。
尚、ugのジャンマ・クンダリー(出生図)では、
- ラグナ – 蟹座、可動
- 太陽 – 山羊座、可動
- 月 – 天秤座、可動
- 火星 – 天秤座、可動
- 水星 – 水瓶座、固定
- 木星 – 蟹座、可動
- 金星 – 水瓶座、固定
- 土星 – 魚座、二重
- ラーフ – 牡羊座、可動
- ケートゥ – 天秤座、可動
です。まとめると、
- 可動 – ラグナ、太陽、月、火星、木星、ラーフ、ケートゥ
- 固定 – 水星、金星
- 二重 – 土星
となります。
主星座となるジャンマ・クンダリー(出生図)からは目に見えやすい個性、ヴァルガ(分割図)からは本質的な姿勢が浮かび上がってきます。この2つを併せることで、よし深い読解へと繋げることが可能となるのです。
※以下、2022年1月2日加筆
さて、ここまで書いてきましたが、翻訳している英語版原書に書かれている例によれば、0度からはナラダ、10度からがオーガスタ、20度からはドゥルヴァシャの領域として表になっています。
つまりそれぞれの星座における一番目の10度が可動、2番目の10度が固定、3番目が二重となるわけです。こちらが定説なのかもしれないので、見てみましょう。
この表に則ってugの星を割り振ってみましょう。
- ラグナ(Ascendant):ドゥルヴァシャ(二重)
- 太陽:オーガスタ(固定)
- 月:ドゥルヴァシャ(二重)
- 火星:ナラダ(可動)
- 水星:ナラダ(可動)
- 木星:ナラダ(可動)
- 金星:ナラダ(可動)
- 土星:ナラダ(可動)
- ラーフ:オーガスタ(固定)
- ケートゥ:オーガスタ(固定)
つまり、
- ナラダ(可動):火星、水星、木星、金星、土星 計5
- オーガスタ(固定):太陽、ラーフ、ケートゥ 計3
- ドゥルヴァシャ(二重):ラグナ、月 計2
可動優勢となり、ジャンマ・クンダリーに近い傾向となりました。星座本来的の可動・固定・二重の基礎的性質を用いるのと、果たしてどちらが正しいものなのか。実は9分割図となるナヴァマムシャでは、星座本来のものと分割時のものは同じになります。
9分割(ナヴァマムシャ)記事
b-8-9.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割12
それから考えても、この英文書やインターネット上で見かける形態は間違いなのではないかと思えるのですが、いかがなものでしょうか。あなたご自身で確かめてみてくださいね。
参考
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分割図による鑑定方法については、この書籍がお勧めです。3、4、7、9、10、12、16、20、24各分割図について詳しく事例をあげています。
ザ・分割図 マークボニーのインド占星術ケースメソッド
※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはノートとしてわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるため以後のChapterでノート部分の翻訳を掲載することはありません)
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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes
次回は
b-8-7.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割9
となります。
※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。
※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。
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b-8-6.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割7-8
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