c-6-3.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter15第2室の効果10-18

スポンサーリンク
インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

 

10 出生図で富の室の支配星が自分自身または高揚する星座にある誕生者は、人々の世話をします。おお、優秀なブラフミン達よ! その人は有名で、慈悲深く、他人のことをよく願う人として知られるべきです。

11 第2室の支配星が吉星と共にパラヴァタムシャなどの良い場所にある場合、誕生者は彼の家であらゆる種類の富を簡単に手に入れることができます。

12 ネトゥレシャが強い場合、誕生者は美しい目をしていますが、それが第6室、第8室、または第12室にある場合、誕生者の眼は欠陥のあるものになります。

13 第2室の支配星が凶星と一緒にいて、富の室も凶星に占拠されている場合、その配置により誕生者を物語の語り手または物語の担い手、うそつき、風の病気に苦しむようになります。

14 富の室の支配星が最高に高揚する星座か自身の星座にいて、木星にドリシュティされている場合、誕生者は人気があり有名になります。

15 第2室の支配星がナヴァマムシャで高揚しつつ金星と一緒にいる場合、または金星の星座にありラグナの主と関係がある場合、誕生者は斜視になります。

16 太陽と月がそこ(第2室)にあると誕生者は夜盲症になります。 第2室の支配星と第1室の支配星である太陽が第2室にあると、誕生者は生まれながらに盲目になります。もし第10室または第4室の支配星もこの組み合わせに参加すると、父親と母親がそれぞれ失明します。

17 悪の組み合わせを引き起こす星がその星の高揚の星座にある場合、その星は悪を招きません。

18 木星と第2室の支配星が第6室、第8室、または第12室にある場合、その人は生まれつき言葉を失います。同じように、父と母の室の支配星がこれらの室に置かれている場合、両親も言葉を失うと理解されるべきです。

 

用語

  • 支配星(自分自身の星座):太陽-獅子座・月-蟹座・火星-牡羊座と蠍座・水星-双子座と乙女座・木星-射手座と魚座・金星-牡牛座と天秤座・土星-山羊座と水瓶座を支配している
  • 富の室:第2室のこと
  • 高揚する星座:最高星位にある星を高揚しているという、太陽:牡羊座0-10度、月:牡牛座0-3度、火星:山羊座0-28度、水星:乙女座0-15度、木星:蟹座0-5度、金星:魚座0-27度、土星:天秤座0-20度
  • ブラフミン:僧侶(ここではパラシャラの弟子達を意味する)
  • パラヴァタムシャ:ダシャーヴァルガ(10つの分割を組み合わせたもの)の内で6つの分割において自身の星座にある星のこと(極めてまれ)
  • ダシャーヴァルガ:D-1ラーシ・D-2ホーラ・D-3ドレッカナ・D-7サプタームシャ・D-9ナヴァームシャ・D-10ダシャームシャ・D-12ドゥヴァダシャームシャ・D-16ショダシャームシャ・D-30トゥリムシャームシャ・D-60シャスタームシャを組み合わせた10ヴァルガの総称
  • ネトゥレシャ:目に関わるという意味においての第2室の支配星のこと
  • ドリシュティ:見るということ、星は自身が位置する室から数えて7番目の室を見ている ※火星は自身のいる室から数えて4番目・7番目・8番目の室に、木星は5番目・7番目・9番目、土星は3番目・7番目・10番目に、それぞれ100%のドリシュティをするとされています。(パラシャラ ホーラ シャストラ等の古典では火星は4番目と8番目、木星は5番目と9番目、土星は3番目と10番目が100%のドリシュティであり、7番目は100%ではないとされています)
  • ラグナ:人の誕生時に東の地平線方向に現れる天空の1点 ※この詩句においてはラグナが入っている第1室のこと
  • 父と母の室:10室と4室のこと

 

解説

詩句13ででてくる風の病気については、具体的にどのような病気なのかは書かれておりません。ugはパンチャブータにおける風よりもドーシャにおけるヴァータに由来する病気のように感じます。

詩句17にあるように、悪いと言われる星の組み合わせに高揚する星が加わる場合、その悪い組み合わせは発動しないと言われています。

詩句10から18を読むと第2室は富、目、言葉についてを表すことがわかります。

 

参考

室の意味については下記記事にて説明しております。ここでの詩句と文言が違う場合がありますが、これは日本人にとって意味を捉えやすいように意訳している部分があるからです。室が意味する物事は限定的ではありません。幅広く捉えるための参考になるでしょう。

a-2-5.室の位置と表意ー上

a-2-6.室の位置と表意ー中

a-2-7.室の位置と表意ー下

高揚および自身の星座について

a-2-9.星の居心地

ドリシュティについて

a-3-1.星の視線(ドリシュティ)

ダシャーヴァルガなどの元となる分割について

a-7-9.分割図

より詳しくはパラシャラ ホーラ シャストラの分割図に関わる記事をご覧ください。

c-1-4.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter8分割の考え方1-8

他、1-8に続く10記事

 

※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるためノート部分の翻訳を掲載することはありません)

スポンサーリンク


Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes

 

次回は

c-6-4.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter16第3室の効果1-11

となります。

※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。

※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。

スポンサーリンク

c-6-3.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter15第2室の効果10-18

ブログの最初に戻る。

a-1-1.インド式占星術

コメント