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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。
トロピカル星座帯(西洋占星術)
インド式占星術でいう所の牡羊座0度は、巷に溢れている牡羊座0度とずれています。その差は2021年10月2日時点で約24度9分です。一星座は30度ですから「今月の〇座の運勢は?」という星座占いとインド式占星術で使う星座は一星座近くずれているということです。私自身の太陽の位置も西洋では水瓶座、インドでは山羊座となっております。
一般的な西洋占星術で使う星座はトロピカル星座帯を使っており、太陽春分点を基準に毎年ずれていきます。夜空にある実際の星座とも同じように大きくずれおり、世間で「牡羊座」と言われる時期には太陽は概ね魚座にあります。これは「だから西洋占星術は当たらない」などと言いたいわけではなく、あくまでずれているというだけのことですので悪しからず。
サイデリアル星座帯(インド式占星術)
対してインド式占星術で使う星座帯は占星術が生まれた数千年前から全く移動していません。その星座帯のことをサイデリアル星座帯と言います。夜空の星座とも概ね一致しています。だからといって、インド式占星術が西洋占星術より正しいと言いたいわけではありませんので、悪しからず。
アヤナムシャ(歳差)
その時々のトロピカルとサイデリアルの差を歳差と言い、インド式占星術ではアヤナムシャと呼びます。ずれの原因は約23.4度に及ぶ地軸の傾きです。この傾きが地球から見た太陽の軌道である黄道と地球の回転最外周である赤道とのずれをもたらし、歳差を生み出します。春分点も地軸の傾きによって生まれるわけなので、地軸のずれがあってこその占星術とさえ言えるわけです。
西洋・インドいつ別れた?
1年間に生まれる歳差は約50秒です。1度は60分、1分は60秒となるので、1度は3,600秒ということになります。
ここで簡単な算数をしてみましょう。
天空は360度ですので、360度×3,600秒=1,296,000秒
1,296,000秒÷50秒=25,920
つまり約25,920年をかけてトロピカル星座帯は天空を1周するということです。
もう一つ計算をしてみましょう。
2021年10月2日現在のアヤナムシャ(歳差)24度9分を秒に直すと86,940秒です。
86,940秒÷50=1,738.8
つまり約1738.8年前にはトロピカルとサイドリアルは一致していたことになります。これを西暦に直すと西暦282~283年となります。この時期にインド式占星術と西洋占星術が分離したという説もありますが、定かではありません。ただ、1740年近い時代を経て、二つの占星術が離れていったという事は言えると思います。
壁の存在
もし、インド占星術を学びたいのであれば、世間で言うところの「今月の〇座」や「〇座の満月」などに惑わされない必要があるでしょう。これはけっこうな壁です。あなたがよほど特別な頭脳をお持ちでない限り、トロピカルでの星の移動を意識しながらサイデリアル星座帯を使うインド式占星術を身に付けることはできません。
先ずは最低でも1日1回はインド式占星術ソフト・アプリを使ってサイデリアル星座帯における星座と星の配置を確認しましょう。繰り返すことで、いずれ、その時々の社会状況に現れる星と星座の意味が見えてくるようになるでしょう。
インド式占星術へ続く道は、そこから始まります。
用語
トロピカル星座帯:移動星座帯(西洋占星術と天文学で利用)
サイデリアル星座帯:固定星座帯(インド式占星術で利用)
アヤナムシャ:歳差
※歳差を始めて観測した人はギリシアのヒッパルコス(古代ギリシャの天文学者)で、紀元前150年頃のことです。
※インド式占星術でも数千年前からトロピカルで観測した星の位置にアヤナムシャを加えることで星座と星の配置図を作っています。
参照
b-7-3.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter5惑星の位置を探し当てるために14-18
次回は、
となります。
さて、これまでの学習で、インド式占星術において必要な基礎知識は概ねお伝えできたと思います。これからは古代の聖者パラシャラの教えを少しずつ翻訳していきます。これまでの学習が骨だとしたら、これからは肉としての内容となるでしょう。これまでお話しした内容も度々出てくるので、復習にもなると思います。パラシャラの教えは本になって現代まで伝わっています。
本のタイトルは
BRIHAT PARASHARA HORA SASTRA
といいます。インド式占星術のコンピュータソフトやアプリケーションについている機能のほとんどが、同書の内容を元に作られています。この本の学習なくしてインド式占星術の習得はありえません。一緒に学習していきましょう。
ご自身で、英語訳本を読まれたい方は、こちらのペーパーバック版から始められることをお勧めします。
ugが翻訳するのは解説が詳しい下記の本となります。
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a-8-4.アヤナムシャが生む壁
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