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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
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物質には五つの性質があるとされています。インド式占星術ではこの世に存在するものは「空・風・火・水・地」五つの性質を内包していると考えられており、パンチャブータ(五元素)と総称されています。元素といっても化学で言うところの物質の特質を持つ最小単位のことではないのでご理解お願いします。
この五元素ですが、火と言われれば「ああ、火ね」とわかりますし、水もそうでしょう。地とは土のことを考えていただければ想像しやすいと思います。ですが、空と風となると突然頭の中が疑問だらけになると思います。空は空気のことなのか?風も空気の流れのことなので一緒なのではないのか?といった感覚を持つのが一般でしょう。ここでは、人間以外の他の生物では作り得ないある物質の生成過程を見ていくことで、五元素それぞれの性質と役割について理解する道筋を探っていきたいと思います。
五つの元素全てを使ってこそ生成され、人間にとって最も身近な物質について生成過程を見ていきます。
人と他の生物とを分ける、人だけが使う最も身近な物質、それは「鉄」です。経済に詳しい方はわかると思いますが、鉄の生産量の上下を見るだけで経済の好不況はわかってしまうくらい、鉄というものは人間の生活に無くてはならないものです。そして、これほど、世界に満ち溢れていながらも、鉄器としては人間以外の生物には全く必要の無いものです。不思議ですね。
人間は文化発展の過程で、素手→石器利用→鉄器利用と発展してきました。素手はどんな動物も使います。石は猿の一部が食物を加工するために使います。鉄を作り、利用できるのは人間だけです。「鉄器の前に青銅器が発明された」と教育を受けて、今回の話にちゃちゃをいれる方もいらっしゃると思いますが、実際は青銅器と鉄器はほぼ同時期に発明されています。更に、青銅器は祭祀を中心に利用されているため、人間の生活に密接に関わる物質としては除外して考えてよいと思います。
では、パンチャブータ(五元素)について考察するために鉄の生成過程を見ていきましょう。
地
最初に必要な物として原料があります。現代では鉄鉱石を使います。元々鉄が発明された大昔は砂鉄、インド式占星術の生まれたインドではヘマタイトを使っていました。ヘマタイトとは、水に溶けだした鉄分が鉄バクテリアによって集められ湧水地に堆積、地殻変動において圧力がかかり岩石化したものです。これが五元素における「地」です。元素としての「地」は形あるもの、手に触れ得るものということになります。
水
ここで時間を遡って考えます。砂鉄もヘマタイトも前段階として水が必要になります。鉄バクテリアが集めた鉄分は水によって遊水地に運ばれ水溜りに堆積、ヘマタイトという目に見える形になりました。砂鉄も同様に源流から水に流され川床に堆積。人々は川の中で砂鉄を見つけました。このことから地は水から生まれると古代の人々は認識したのです。「地」は「水」から生まれるという、現代人からしたら摩訶不思議な考え方はここから発生したと思われます。「水」は内包するもの、生み出すものですね。
火
では、ヘマタイトや砂鉄を鉄に生成するには次に何が必要となるでしょう。それは「火」ですね。ヘマタイトや砂鉄を鉄にするには溶かす必要があります。そのために火が使われます。火そのものは物質として手で触れることはできません。ですが、火によってヘマタイトや砂鉄は溶けて鉄の塊に変わります。物質を変容させる力としての存在、それが「火」ということになります。
さて、「空・風・火・水・地」の内、「地・水・火」について考えてみました。性質と役割について、何となくでもイメージが湧くようになっていただけたら嬉しいです。今後、星という要素、星座という空間の持つ個性を考えていく上で、パンチャブータ(五元素)が欠かせないものとなります。簡単にいうと、先に記事にしたサトヴァ・タマス・ラジャスという三つのグナ(気質)と「空・風・火・水・地」五元素のうち、どの要素がそこにあるかで星と星座の個性が決まるということなのです。もちろん星と星座の個性がわからないとインド式占星術は使えません。
皆さん今後は身近にある物が五元素の何に当てはまるのか考えてみてください。そうすることでインド式占星術に対する理解が深まっていくでしょう。
それでは「空」と「風」に続きます。
3-1.パンチャブータ(五元素)上
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