b-8-8.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割10-11

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

 

10-11 サプタマムシャ:サプタマムシャの数え方は牡羊座などの奇数星座の場合は同じ星座から始まります。牡牛座などの偶数星座の場合は7番目の星座から始まります。7分割のそれぞれの名称はクシャーラ、クシェーラ、ダディ、グリタ、イクシュラサ、マドヤ、シュッダ ジャラとなります。偶数星座の場合は、同じものが逆から(シュッダ ジャラから)始まります。

用語

  • サプタマムシャ:7分割
  • クシャーラ:苦味
  • クシェーラ:ミルク
  • ダディ:ヨーグルト
  • グリタ:何か、又は、ギー(澄ましバター)
  • イクシュラサ:サトウキビ
  • マドヤ:蜂蜜
  • シュッダ ジャラ:純水

解説

7分割はパートナーと作り上げたものを表すとされています。パートナーが伴侶であれば子供、仕事のパートナーであれば会社などについて、7分割図から読むことができるということです。また、サプタマムシャは最も強い欲求を示すという説もあります。

1星座30度を7で割った1つがサプタマムシャということは、1サプタマムシャは約4度17分8.57秒となります。そして、奇数星座の場合は1番目のサプタマムシャはその星座であり、2番目のサプタマムシャは次の星座ということになります。つまり、牡羊座であれば、1番目が牡羊座、2番目が牡牛座、3番目が双子座、4番目が蟹座というように7番目まで順に進んでいくことになります。偶数星座の場合は、7番目の星座が1番目のサプタマムシャになり、そこから順に星座を当てはめていきます。つまり、牡牛座の場合は、1番目のサプタマムシャが蠍座、2番目が射手座、3番目が山羊座、4番目が水瓶座というように7番目の星座から始まり、後は順に進むということになります。これを12星座毎の順番に並べて表にすると、とても美しい並びになることに気が付きます。つまり牡羊座から魚座までの12星座が順番通りに7回巡るのです。考えてみれば当たり前なのですが、これがだれかが思いついたシステムなのだとすれば、その人は天才だと思います。そして、このシステムが正しく全人類に当てはまるのだとすれば、これこそ神が造りたもうた術であるのでしょう。

ここで翻訳元英文書の問題についてお話しします。

7つのサプタマムシャにはクシャーラ、クシェーラ、ダディ、グリタ、イクシュラサ、マドヤ、シュッダ ジャラという名称が付けられています。つまり、奇数星座である牡羊座では1番目のサプタマムシャである牡羊座がクシャーラ、2番目の牡牛座がクシェーラ、3番目の双子座がダディ、4番目の蟹座がグリタ、5番目の獅子座がイクシュラサ、6番目の乙女座がマドヤ、7番目の天秤座がシュッダ ジャラとなるわけです。そして、パラシャラの詩句では「偶数星座の場合は、同じものが逆から(シュッダ ジャラから)始まります」と書かれています。それをそのまま採用するならば、例えば牡牛座のサプタマムシャは1番目蠍座がシュッダ ジャラ、2番目射手座がマドヤ、3番目山羊座がイクシュラサ、4番目水瓶座がグリタ、5番目魚座がダディ、6番目牡羊座がクシェーラ、7番目牡牛座がクシャーラとなるはずです。つまり、牡羊座のクシャーラは牡羊座、牡牛座のクシャーラは牡牛座、…水瓶座のクシャーラは水瓶座、魚座のクシャーラは魚座になるわけです。

ところが、翻訳元英文書についている表では、牡牛座1番目のサプタマムシャは蠍座クシャーラ、2番目射手座クシェーラ、3番目山羊座ダディ、4番目水瓶座グリタ、5番目魚座イクシュラサ、6番目牡羊座マドヤ、7番目牡牛座シュッダ ジャラとなっており、パラシャラの詩句と違うことになっています。インターネットの情報も調べましたが、同様に書かれているものがあります。パラシャラの詩句については、英語訳本2冊、日本語訳本1冊に当たったところ、全てにおいて、「偶数星座の場合は、同じものが逆から(シュッダ ジャラから)始まります」と書かれているので、翻訳元英文書は間違っていると思われいますが、当ブログ記事においては一応両方の表を掲載します。本に書かれているからと言って、鵜呑みにしてはいけない。必ず自ら検証するべきである良い例であると思われいます。

サプタマムシャ星座配置表

パラシャラ詩句形式

翻訳元英文書形式

参考までにパラシャラと翻訳元英文書形式両方でugのサプタマムシャを抽出します。

パラシャラ形式

  • ラグナ:蟹座28度22分→蟹座、クシャーラ
  • 太陽:山羊座19度26分→蠍座、ダディ
  • 月:天秤座24度43分→魚座、マドヤ
  • 火星:天秤座3度44分→天秤座、クシャーラ
  • 水星:水瓶座0度17分→水瓶座、クシャーラ
  • 木星:蟹座4度20分→水瓶座、マドヤ
  • 金星:水瓶座9度51分→牡羊座、ダディ
  • 土星:魚座3度18分→乙女座、シュッダ ジャラ
  • ラーフ:牡羊座18度8分→獅子座、イクシュラサ
  • ケートゥ:天秤座18度8分→水瓶座、イクシュラサ

翻訳元英文書形式

  • ラグナ:蟹座28度22分→蟹座、シュッダ ジャラ
  • 太陽:山羊座19度26分→蠍座、イクシュラサ
  • 月:天秤座24度43分→魚座、マドヤ
  • 火星:天秤座3度44分→天秤座、クシャーラ
  • 水星:水瓶座0度17分→水瓶座、クシャーラ
  • 木星:蟹座4度20分→水瓶座、クシェーラ
  • 金星:水瓶座9度51分→牡羊座、ダディ
  • 土星:魚座3度18分→乙女座、クシャーラ
  • ラーフ:牡羊座18度8分→獅子座、イクシュラサ
  • ケートゥ:天秤座18度8分→水瓶座、イクシュラサ

どちらのスタイルでも星座は同じになります。偶数星座での名称だけが部分的に違うということになります。世に出ている分割図における鑑定指南本は、私の知る限り名称による鑑定については解説しておりませんので、現状ではどちらでも良いということになります。名称を用いた鑑定方法もあるのだろうと考えますが、今のところ検出できておりません。発見し次第解説させていただきますので、情報をお持ちの方はお知らせいただければ幸いです。

参考

a-7-9.分割図

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分割図による鑑定方法については、この書籍がお勧めです。3、4、7、9、10、12、16、20、24各分割図について詳しく事例をあげています。


ザ・分割図 マークボニーのインド占星術ケースメソッド

 

※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはノートとしてわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるため以後のChapterでノート部分の翻訳を掲載することはありません)

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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes

 

次回は

b-8-9.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割12

となります。

※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。

※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。

 

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