c-1-1.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割33-41

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

 

33-41シャスタームシャ:惑星が何番目の星座にあるかは無視し、その星座で通過した度・分・秒を取得し、その数値に2を掛け、度に満たないものは除いた数を12で割り、余りに1を加えます。結果の数をその惑星がある星座に足すことで判明した星座がその場所のシャスタームシャであり、その星座の支配星はシャスタームシャの主となる。奇数星座のシャスタームシャの名前は次のとおりです:

ゴラ、ラクシャサ、デーヴァ、クベーラ、ヤシャ、キンナラ、バラシュタ、クラグナ、ガララ、ヴァーニ、マヤ、プリシャカ、アパンパティ、マルタ、カーラ、サルパ、アムリタ、インドゥ、ムリドゥ、コマラ、ヘランバ 、ブラフマ、ヴィシュヌ、マヘシュワラ、デーヴァ、アールドラ、カリナシャ、カシティシュワラ、カマラカラ、グリカ、ムリチュ、カーラ、ダヴァガニ、ゴラ、ヤマ、カンタカ、スダ、アムリタ、プールナチャンドラ、ヴィシャダグダ、クラナサ、ヴァムサクシャヤ、ウトゥパータ 、カーラ、サウヤマ、コマラ、シータラ、カララ ダムシュトゥラ、チャンドラムクティ、プラヴィーナ、カラ パヴァカ、ダンダユダ、ニルマラ、サウマヤ、クローラ、アティ シータラ、アムリタ、パヨディ、ブラマナ、チャンドラレカ

 奇数の星座ではゴラ、ラクシャサなど、偶数星座では逆の順序でチャンドラレカ、ブラマナなどがシャスタームシャの領主です。縁起の良いシャスタームシャが占める星座は、有益、または、縁起の良い効果をもたらすものであり、縁起の悪いものが占める星座は、破壊をもたらすものです。

 

用語

  • シャスタームシャ:60分割
  • 1.ゴラ(凶):最悪
  • 2.ラクシャサ(凶):悪魔
  • 3.デーヴァ(吉):神
  • 4.クベーラ(吉):富の神
  • 5.ヤシャ(吉):神の歌手
  • 6.キンナラ(吉):変形した男
  • 7.バラシュタ(凶):破損または邪悪
  • 8.クラグナ(凶):家族を滅ぼす者
  • 9.ガララ(凶):毒
  • 10.ヴァーニまたはアグニ(凶):火
  • 11.マヤ(凶):幻想または奇術
  • 12.プリシャカ(凶):泥
  • 13.アパンパティ(吉):雨の神ヴァルナ
  • 14.マルタ(吉):風神
  • 15.カーラ(凶):時間の永遠と死の擬人化
  • 16.サルパ(凶):蛇
  • 17.アムリタ(吉):甘露
  • 18.インドゥ(吉):月
  • 19.ムリドゥ(吉):適度な柔らかさ
  • 20.コマラ(吉):柔らかい
  • 21.ヘランバ(吉):ガネーシャ、象顔の神
  • 22.ブラフマ(吉):普遍的な父
  • 23.ヴィシュヌ(吉):ヒンドゥ三位一体ブラフマ、ヴィシュヌ、マヘシャの2番目の神
  • 24.マヘシュワラ(吉):ヒンドゥ三位一体の3番目の神(シヴァ)
  • 25.デーヴァ(吉):神
  • 26.アールドラ(吉):しっとり
  • 27.カリナシャ(吉):争いによる破壊
  • 28.カシティシュワラ(吉):地球の領主
  • 29.カマラカラ(吉):蓮の群れ
  • 30.グリカ(凶):土星の息子(あるいはサタンの息子)
  • 31.ムリチュ(凶):死
  • 32.カーラ(凶):シヴァのアバター
  • 33.ダヴァガニ(凶):森の火事
  • 34.ゴラ(凶):最悪
  • 35.ヤマ(凶):死神の擬人化
  • 36.カンタカ(凶):棘、あるいは、障害物
  • 37.スダ(吉):甘露
  • 38.アムリタ(吉):甘露
  • 39.プールナチャンドラ(吉):満月
  • 40.ヴィシャダグダ(凶):毒による破壊
  • 41.クラナサ(凶):彼の家族の駆逐艦
  • 42.ヴァムサクシャヤ(凶):それ以上成長しない転落
  • 43.ウトゥパータ(凶):災難をもたらす重大または異常な現象
  • 44.カーラ(凶):世界の終わりの破壊的な火
  • 45.サウヤマ(吉):月への聖心、ハンサム、縁起の良い
  • 46.コマラ(吉):優しい、心地よい
  • 47.シータラ(吉):寒い
  • 48.カララ ダムシュトゥラ(凶):恐ろしい歯
  • 49.チャンドラムクティ(吉):月の美しさを持つ女性
  • 50.プラヴィーナ(吉):賢い
  • 51.カラ パヴァカ(凶):世界の終わりの破壊的な火
  • 52.ダンダユダ(凶):僧侶によって確保された配下
  • 53.ニルマラ(吉):罪のない
  • 54.サウマヤ(吉):月への聖心、ハンサム、縁起の良い
  • 55.クローラ(凶):哀れな
  • 56.アティ シータラ(吉):とても寒い
  • 57.アムリタ(吉):甘露
  • 58.パヨディ(吉):海洋
  • 59.ブラマナ(凶):放浪
  • 60.チャンドラレカ(吉):月の縞

※上記数字は奇数星座での順番です。偶数星座では逆の順番になります。(例:1.チャンドラレカ 2.ブラマナ 3.パヨディ…)

※各領主の意味については、翻訳元である英文書のノートを直訳しております。当ブログ他の記事とは一致しておりません。

解説

星座を60分割した内の一つずつのことをシャスタームシャといいます。一つの星座は30度ですので、

30÷60=0.5

0.5度=30分

1つのシャスタームシャは30分ということになります。一番動きの速いラグナは4分に1度動きます。シャスタームシャの幅が30分(0.5度)ということは、少なくとも出生時間2分のずれがシャスタームシャのずれに繋がるということになります。本場インドの占星術家において、シャスタームシャを使わない占星術家がいる理由にそのずれがあります。とは言え、ラグナと月を除けば、一日に大きく動く星はありませんから、それぞれの星がシャスタームシャにおいてどの位置にあるのかを見ることは鑑定の参考になると思われます。シャスタームシャからは、過去生と業についてを読み取ることができるとされています。

さて、

「惑星が何番目の星座にあるかは無視し、その星座で通過した度・分・秒を取得し、その数値に2を掛け、度に満たないものは除いた数を12で割り、余りに1を加えます。結果の数をその惑星がある星座に足すことで判明した星座がその場所のシャスタームシャ」

この詩句を読んでも意味がわからないですよね。実際にこの通り計算・割り当てしてみるとわかるのですが、何のことはない、各星座のシャスタームシャは、その星座から始まり、30分(0.5度)に一つずつ割り当てられながら12星座の順番通りに5周するだけの話です。12星座分でデータ量が多いので、下記リンク先をご参照ください。

c-1-2.シャスタームシャ(60分割)12星座別一覧表

それでは練習の為にugのジャンマ・クンダリー(出生図)からシャスタームシャでの星座と星の配置がどのようになるのか調べてみましょう。尚、領主名の後の吉凶については、翻訳元英文書解説の内容からのものとなっております。

  • ラグナ:蟹座28度22分→魚座、クベーラ、吉
  • 太陽:山羊座19度26分→魚座、ブラフマ、吉
  • 月:天秤座24度43分→蠍座、プラヴィーナ、吉
  • 火星:天秤座3度44分→牡牛座、クラグナ、凶
  • 水星:水瓶座0度17分→水瓶座、ゴラ、凶
  • 木星:蟹座4度20分→魚座、ダンダユダ、凶
  • 金星:水瓶座9度51分→乙女座、コマラ、吉
  • 土星:魚座3度18分→乙女座、サウマヤ、吉
  • ラーフ:牡羊座18度8分→牡羊座、スダ、吉
  • ケートゥ:天秤座18度8分→天秤座、スダ、吉

各星座・星を室ごとにまとめてみましょう。

  • 1室:魚座、ラグナ、太陽、木星
  • 2室:牡羊座、ラーフ
  • 3室:牡牛座、火星
  • 4室:双子座、無し
  • 5室:蟹座、無し
  • 6室:獅子座、無し
  • 7室:乙女座、金星、土星
  • 8室:天秤座、ケートゥ
  • 9室:蠍座、月
  • 10室:射手座、無し
  • 11室:山羊座、無し
  • 12室:水瓶座、水星

領主別は以下となります。

奇数星座

  • 1.ゴラ(凶)最悪:水星
  • 8.クラグナ(凶)家族を滅ぼす者:火星
  • 20.コマラ(吉)優しい、心地よい:金星
  • 50.プラヴィーナ(吉)賢い:月
  • 37.スダ(吉)甘露:ラーフ、ケートゥ

偶数星座

  • 7.サウヤマ(吉)月への聖心、ハンサム、縁起の良い:土星
  • 9.ダンダユダ(凶)僧侶によって確保された配下:木星
  • 39.ブラフマ(吉)普遍的な父:太陽
  • 57.クベーラ(吉)富の神:ラグナ

このようになります。どうも周囲から芸術家として認識される気持ちの浮き沈みの激しい人だったようです。

皆さんもご自身のジャンマ・クンダリーからシャスタームシャの内容を導き出されると、インド式占星術の鑑定能力は飛躍的に上がるでしょう。仮に凶が多いとしても分割図全てにおいて良い表示ばかりの人はいないので、悲観しないようにしましょう。

 

参考

分割図について

a-7-9.分割図

※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはノートとしてわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるため以後のChapterでノート部分の翻訳を掲載することはありません)

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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes

 

次回は

c-1-3.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter7星座の16分割42-53

となります。

※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。

※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。

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