d-3-1.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter26室の支配星の効果139-148

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

 

139 第12室の支配星が第7室を占めた場合、誕生者は常に妻の為に支出をすることになり、夫婦の至福を享受できなくなり、学びも力も失われることになるでしょう。

140 第12室の支配星が第8室に行った場合、誕生者は常に利益を得ることができ、愛想よく話し、中程度の寿命を享受し、すべての良い資質に恵まれることになります。

141 第12室の支配星が第9室を占めた場合、誕生者は教師の名誉を傷つけ、友人に対してさえ敵意を抱き、常に自分自身の目的を達成することに熱心になるでしょう。

142 第12室の支配星が第10室に入っている場合、誕生者は王族を通じて出世し、適度な父方の至福のみを享受するでしょう。

143 第12室の支配星が第11室にある場合、誕生者は損失を被ることになります。 それにもかかわらず様々な利益を得ることができ、そして、時々他人の富を通してわずかな収益を得るでしょう。

144 第12室の支配星が第12室にある場合、誕生者は多額の浪費をします。 彼は肉体的な幸福感がなく、イライラして意地悪になります。

145-148 おおブラフミンよ、あなたに告げられた室の支配星の影響は、彼らの長所と短所を考慮して推測されるべきです。二つの星座を支配する惑星の影響は、両室(それぞれの星座が配置される室)の主権に基づいて推定されます。もし逆の効果が示された場合、その効果は無効になることを意味します。反対に効果が多様な性質のものであれば、多様な効果が得られます。この法則を学んだ占星術師は、惑星の力が最大限である場合、その力が最大の効果をもたらすと予測し、強さが半分や四分の一の場合には、それぞれ半分と四分の一の効果をもたらすと予測します。このように私は、さまざまな室の支配星による影響について話しました。

 

用語

支配星:星座の主の事、牡羊座は火星に、牡牛座は金星に、双子座は水星に、蟹座は月に、獅子座は太陽に、乙女座は水星に、天秤座は金星に、蠍座は火星に、射手座は木星に、山羊座と水瓶座は土星に、魚座は木星に支配されている

ブラフミン:僧侶(ここでは弟子として賢者パラシャラから占星術の講義を拝聴しているマイトレーヤを指す)

 

解説

概ね良くない表示となる第12室関連の詩句ですが、例えば140のように良いと感じられるものもあります。第12室の支配星が第8室に入ることをヴィマラ ヨーガと呼び、陽気な態度、立派なキャリア、精神的な人生観を与え、同時に多額の富を集めるであろうとする占星術家もいるような配置です。第6室の支配星が第8室か第12室に、第8室の支配星が第6室か第12室に、第12室の支配星が第6室か第8室に入る配置を総括してヴィパリータ ラージャ ヨーガと言い、その内の一つがヴィマラ ヨーガとなります。

サンスクリット語のヴィパリータは「反対の」を意味し、基本的に失うことを表す第6・8・12室の支配星が他の二つの室のどちらかに入ることで、「失うことを失う」と考えられることから、好ましい配置とされています。苦しみ、困難、さまざまな喪失、苦悩をすべて経験し、その数多くの試練を乗り越えた後に人生における完全な成功を保証されるというのが、この形の特徴です。ただし、克服しなければならない試練が一筋縄ではないため、確かな意志の力が必要かもしれません。

さて、支配星の効果について多くの詩句が示されましたが、最後に賢者が話しているように支配星そのものの力がどの程度なのかに拠って、人生においてその室が表す事象が現れるレベルは変わります。つまり、最高星位・ムーラトリコーナ・支配星座・友好星座・中立星座・敵対星座・最低星位の内、どこにその室の支配星があるのかをしっかり確認することが、クンダリー(出生時の星や星座・室の配置図)読解においてとても重要であるということです。もちろん星の一時的な関係についても考慮が必要です。インド式占星術の鑑定をする上で欠かせない要素ですので、どんな時も面倒くさがらずに確認する習慣を持つようにしましょう。

 

参考

支配星について

a-2-2.星座支配

星の位階について

a-2-9.星の居心地

 

※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるためノート部分の翻訳を掲載することはありません)

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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes

 

次回は

d-3-2.賢者パラシャラの占星術 Chapter27 影の惑星の影響1-7

となります。

※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。

※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。

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