b-8-2.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント17-23

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

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17-18 ヴァルナダの効果:それ(ヴァルナダ)の使用について説明します。ドヴィジャの優れた者よ、私に耳を傾けてください。二つのうち、出生のラグナとホーラ・ラグナのどちらか強い方からヴァルナダ・ダシャーが始まります。 出生ラグナが奇数の星座である場合、ダシャーは直接の順序で数え、出生ラグナが偶数の星座である場合は逆の順序です。出生ラグナのダシャー年数は、出生ラグナとヴァルナダ星座の間に介在する星座の数と同じになります。 全ての室のダシャー年数は、ヴァルナダから知る必要があります。

19-23 ヴァルナダの影響:ラグナのヴァルナダからのトリコーナが凶星のドリシュティまたは在住を受けた場合、誕生した人の人生はその星座のダシャー(期間)で終わります。生と死の考慮はルドラという星のシューラ・ダシャーからなされているので、同じことは凶星によるヴァルナダからのトリコーナの占領によって理解されるべきです。おー、ブラフミンよ、その効果(良いか悪いか)は、出生ラグナから行われるのと同じように、ヴァルナダからも考慮されるべきです。ヴァルナダの7番目の室からは、配偶者の長寿が検討され、11番目の室からは兄・姉、3番目室からは弟・妹、5番目の室からは息子のそれ、それから、4番目から母親の、9番目から父のそれとなります。厄難は強いシューラ星座のダシャー(期間)に起こります。

用語

  • ドヴィジャ:人が最初に肉体的に生まれ精神的に再度生まれたものという意味、儀礼を通過して学習者となった人に対しての呼びかけ
  • ラグナ:出生時の東の地平線方向の延長上に位置する天空の点
  • ホーラ・ラグナ:金銭(経済状況)について読み取ることのできるラグナとされている
  • ヴァルナダ・ダシャー:長寿について読み取ることのできるダシャー
  • ヴァルナダ:色を与える。階級を与えるという意味、転じて人生の特徴といった捉え方も出来るでしょう
  • トリコーナ:当該室・星座から数えて5番目、9番目の室・星座
  • ドリシュティ:見るということ、通常は星が在住している室から数えて七番目の室をその星はドリシュティしている。加えて火星は四室と八室、木星は五室と九室、土星は三室と十室、ラーフは五室と九室をドリシュティします。
  • ルドラ:爆風神、叫ぶ者
  • シューラ・ダシャー:死のタイミングを見ることができる(シヴァの罰を表す)
  • ブラフミン:僧侶(ここではパラシャラの弟子であるマイトレーヤを意味する)

※用語の意味については間違っている可能性があります。今後も情報を集めて、判明し次第訂正していきます。

 

解説

物事が起こる時期を見る上で重要なダシャーは、インド式占星術において実に32を数えます。このChapterで取り上げられているヴァルナダ・ダシャーはその中には入っておらず、あくまでラグナの一つのように思えます。何故、ダシャーと呼称が付いているのかは現時点で解かりませんので、ご了承願います。後半で出てくるシューラ・ダシャーについてはダシャーの特集となるChapter48で取り上げることとなります。ただし、ずいぶん先ですので私が生きている間に翻訳を終えられるかどうかはわかりません。できましたら、下記にリンクを張っておりますサンスクリット→日本語訳のもの、あるいは、同じく英文翻訳の本をご自身でご覧になることをお勧め致します。

それではugのクンダリーを元に人生を終える時期について計算してみましょう。

ヴァルナダから数えてトリコーナ(五番目と九番目の室)に凶星がドリシュティするか在住すると、その星座のダシャー時に人生が終わると詩句にあります。私のヴァルナダから数えた五番目の星座である射手座には土星のドリシュティ、九番目の星座となる牡羊座には火星のドリシュティがあるので、この二星座のダシャーの時に人生の終わりを迎える可能性があります。さて、シューラ・ダシャーについてみていきましょう。私の場合、通常のラグナ(ジャンマ・ラグナ)とホーラ・ラグナの強さの比較が非常に難しいです。方や最大の吉星である木星が最高星位にある蟹座、もう一方は吉星である金星と水星両方が在住している水瓶座ですから、どちらが強いのか正直わかりません。拠って、両方の場合を考えてみます。

各星座のダシャー年は以下の図となります。

ラグナ蟹座により、ラグナから数える場合は逆行となります。そして、ラグナとヴァルナダの間の星座は、ラグナが位置する蟹座とヴァルナダがある獅子座が隣り合わせているので最初の蟹座は2年間(2歳)となります。以後、双子座9年(11歳)、牡牛座8年(19歳)、牡羊座7年(26歳)です。火星にドリシュティされている牡羊座に来たのでここで人生を終えてもおかしくないのですが、何とか通り過ぎたようです。凶星であっても自室にドリシュティする場合は悪さをしないとの説もあるので、そのおかげかもしれません。更に魚座9年(35歳)、水瓶座8年(43歳)、山羊座7年(50歳)、そして、土星にドリシュティされている射手座9年(59歳)がきました。2021年現在の年が54歳ですので、今後五年以内に人生が終了した場合は、ホーラ・ラグナよりラグナ(ジャンマ・ラグナ)の方が強いことになります。

次にホーラ・ラグナが強い場合を考えます。

ホーラ・ラグナとヴァルナダ間の星座数は7ですので、最初のダシャーとなる水瓶座は7年(7歳)となります。水瓶座は奇数星座ですので、順行となります。以後、魚座9年(16歳)、牡羊座7年(23歳)です。ここでも無事に通り抜けているので、やはり凶星であっても自室には悪さはしないようです。その後は、牡牛座8年(31歳)、双子座9年(40歳)、蟹座7年(47歳)、獅子座8年(55歳)、乙女座9年(64歳)、天秤座7年(71歳)蠍座8年(79歳)、そして、土星からのドリシュティのある射手座9年(88歳)となります。この計算が正しければ、ugの人生は79歳から88歳の間に終わることになります。そもそもが、寿命の室である8室に吉星である水星と金星があり寿命がそれなりに長そうなので、日本人男性の平均寿命に届くこちらの方が当たるかもしれませんね。ただし、もしかしたらこちらの計算の場合も最初の水瓶座期間に対してラグナとヴァルナダ間の2年を用いるのかもしれません。その辺りについて何が正しいのかについては、今後、各種資料を当たっていきます。

参考

ドリシュティについては、下記記事をご参照ください。

a-3-1.星の視線(ドリシュティ)

ホーラ・ラグナの求め方については、下記記事をご参照ください。

b-7-8.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント1-9

ヴァルナダの求め方については、下記記事をご参照ください。

b-8-1.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント13-16

※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはノートとしてわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるため以後のChapterでノート部分の翻訳を掲載することはありません)

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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes

 

次回は

b-8-3.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント24-27

となります。

※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。

※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。

 

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b-8-2.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter6特別なアセンダント17-23

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