a-6-7.読解実践-3室サハジャ(兄弟)

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KNラオ著  清水俊介訳

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今回は3室の読み解きです。インドでは3室のことをサハジャと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。尚、3室でいうところの兄弟とは年下の兄弟・姉妹となります。

3室サハジャ(兄弟)

3室にある星座は乙女座。乙女座の支配星は水星。水星は水瓶座に位置しているため中立星座にいることになります。3室には星がありません。ドリシュティする星は土星。9室魚座にあるので、土星は中立星座にいることになります。

ここまでがクンダリーの3室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。乙女座の場合は支配星である水星のグナなのでラジャスです。ドリシュティしている土星はタマスなので、この人の兄弟(年下)の気質はラジャスとタマスの混合であるということになります。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。乙女座は地、土星は空となります。この人の兄弟(年下)はパンチャブータにおいて・地・空の混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。乙女座は水星のドーシャを使うことになるためヴァータ1/3・ピッタ1/3・カパ1/3、土星はヴァータです。合わせるとヴァータが1と1/3、その他が1/3となり、ヴァータ優勢の混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。乙女座なので受動的な兄弟(年下)ということになります。

5番目にカーストを見ます。乙女座は商人(ヴァイシャ)、土星はシュードラ(農民)となります。

最期に吉凶を見ます。水星は中立であり同居している星の吉凶になるので、金星の吉が乗っかり吉となります。土星は中立の生来的凶星(縮小・遅れを表すため)凶です。全体としては吉凶混合となります。

ここで一つ、大事な方法についてお話しします。今回3室乙女座の支配星である水星は8室にあります。3室を1室として数えると8室は6室目となります。つまり3室から見て8室は敵を表す室となるのです。また、8室を1室として数えると3室は8室目となります。8室にとって3室は寿命(弱点)を表します。敵と(弱点)を表すことにより、6室・8室になる関係は良くありません。支配星を見る際に重要になるので、この読み方は必ず憶えておきましょう。

まとめます。ラジャスとタマスの混合なので盲目的に動くとなります。パンチャブータ(五元素)において、形あるものと生きて行く上で必要であるものの死に導いていく要素を併せ持つことになります。ドーシャ(体質)においてヴァータ優勢であることから痩せたイメージとなります。カーストがバイシャ・シュードラの混合であることから、指導する側にはならない表示となります。吉凶においては吉凶混合ですが、水星は金星と同居しているものの土星が支配する星座にあることから、土星が表す凶性に傾くと言えます。

具体的に言うと、ugには年下の兄弟はおりません。これは遅延・縮小を表す土星の表示が鍵になっていると思われいます。兄弟については誕生する時期に限りがあります。そのため遅れや縮小は、無に繋がり易い傾向があります。

尚、3室は目下の人間関係をも表します。ここにおいて面白い点があります。一般的に終生一つの会社に居続けた場合、最初は先輩ばかり、少しずつ後輩が増えていき最後は後輩ばかりという流れが生じます。ugの場合、若い頃から業種そのものを変える転職を繰り返したため、未だに後輩がとても少ない状況にあります。意識してそのような行動をとった訳ではありませんが、盲目的に動く後輩がいてはたまったものではないので後悔もありません。ヴァータ優勢である体質(痩せ体質)や土星の表す遅れ・縮小を知らず知らずに実行しているのでしょうか。クンダリー(星の配置図)に逆らえない自分に苦笑するしかありませんね。(^^;

さて、3室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば土星が支配する7室・8室の特性も厳密にいえば3室に現れます。しかし、乙女座、支配星である水星とドリシュティしている土星の本質があくまで主体となることをご理解ください。

参照記事

水星

a-3-5.水星(基礎)

土星

a-3-8.土星(基礎)

乙女座

a-5-5.乙女座

次回は4室についてお話しします。

a-6-8.読解実践-4室バンドゥ(家と乗り物)

a-6-7.読解実践-3室サハジャ(兄弟)

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a-1-1.インド式占星術

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