a-6-8.読解実践-4室バンドゥ(家と乗り物)

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KNラオ著  清水俊介訳

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今回は4室の読み解きです。インドでは4室のことをバンドゥと呼びます。それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。尚、4室には母親の意味も含まれています。

4室バンドゥ(家と乗り物)

4室にある星座は天秤座。天秤座の支配星は金星。金星は8室水瓶座に位置しているため友好星座にいることになります。4室には中立の月、ケートゥ、中立の火星があります。月は1室、火星は5室・10室を支配しています。ドリシュティするのは10室にあるラーフです。

ここまでがクンダリーの4室から読み取れる情報です。

ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。

最初にグナ(気質)を見てみましょう。天秤座の場合は支配星である金星のグナなのでラジャスです。月はサトヴァ、ケートゥ・火星はタマス、ドリシュティしているラーフもタマスです。この人の家と乗り物はタマス優勢の3種混合ということになります。月は中立ですが欠けていく半月なのでサトヴァ質も1/2程度とみて良いでしょう。タマスが3、ラジャスが1、サトヴァが1/2程度と考えられます。

次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。天秤座は空、月は水、火星は火となります。ラーフ・ケートゥにはありません。この人の家と乗り物はパンチャブータにおいて・空・水・火の混合となります。

3番目にドーシャ(体質)を見ます。天秤座は金星のドーシャを使うことになるためカパ1/2・ヴァータ1/2となります。月はヴァータ1/2・カパ1/2です。ケートゥ・火星共にピッタです。合わせるとピッタ2、カパ1、ヴァータ1となり、ピッタ優勢の混合ということになります。

4番目は能動受動を見ます。天秤座なのでこの人の家(土地)と乗り物は能動的(活用)ということになります。

5番目にカーストを見ます。天秤座は農民(シュードラ)、月は商人(ヴァイシャ)、ケートゥは異邦人(ムレッチャ)、火星は戦士(クシャトリア)となります。

最期に吉凶を見ます。支配星である金星は吉、欠けていく月は小凶、ケートゥは生来的には凶ですが、4室なので吉で数えます。火星は凶です。全体としては吉優勢の混合となります。

まとめます。タマス優勢の混合なのでこの人にとって家(土地)と乗り物は思い通りにならないことが多いでしょう。パンチャブータ(五元素)において火が入っていることにより、ただくつろぐ場所ではなく、働きかけを必要とするでしょう。何らかの労働を伴うことになるということです。水があることにより内包しているものがあるので、ある程度の資産になる部分もありそうです。ドーシャ(体質)においてピッタ優勢であることから、ここでも活動的な様相が見られます。大きさ的には大きすぎず小さすぎず、利用しやすい大きさとなるでしょう。カーストがバラモンを除くすべての階層となるので、経営から実務までこなす必要のある家(土地)乗り物となりそうです。吉凶においてはやや吉優勢の混合ですから、何らかの利点があるでしょう。とは言え、生来的凶星・点である火星とケートゥがあることで、居心地の良い家(土地)乗り物ではなく、事故が起きることもあるでしょう。忙しさとある種のいらいらをもたらしそうです。

実際、ugの家(土地)と乗り物は、それぞれ所有する利点がありつつも、家と土地については難問(改築や所有権問題)、車においてはしばしば故障することがあり、居心地の良い場所ではありません。それにも関わらず、居住地としては2回、耕作地として1回不動産を購入している点において活動的です。ugが所有する不動産は、生まれた土地ではなく、生来的に縁の無い秋田県にあります。言葉の点からも周囲からは余所者と捉えられており、異邦人(ムレッチャ)としての面も否めません。車両も幸か不幸か乗り換えを余儀なくされることがあります。

1室支配の月が4室にある点において、くつろげる家や土地を求める志向が見られます。もう1点、4室支配の金星が8室にある点について解説します。4室から見て8室は5室目です。5室とは創造を表しますので、この人にとって家や土地、車は創造をもたらします。その点では良いことになります。他方、4室という本来くつろぎを象徴する室の支配星が8室寿命(弱点)にいるということは、それらの資産がこの人の弱点でもあります。その意味では、4室支配星が8室にあることは、実際的に吉と凶両方が人生において現れることが予想されます。

さて、4室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)

ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば金星が4室と共に結果(収益)を表す11室を支配していることは、4室からの結果(収益)をうかがうことができます。しかし、天秤座、支配星である金星、在住する月・ケートゥ・火星、そして、ドリシュティするラーフの本質があくまで主体となることをご理解ください。

参照記事

天秤座

a-5-6.天秤座

金星

a-3-7.金星(基礎)

a-3-3.月(基礎)

ケートゥ

a-4-1.ケートゥ

火星

a-3-4.火星(基礎)

次回は5室についてお話しします。

a-6-9.読解実践-5室プトラ(創造と息子)

a-6-8.読解実践-4室バンドゥ(家と乗り物)

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a-1-1.インド式占星術

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