c-8-5.ブリハットパラシャラホーラシャストラChapter22第9室の効果26-32

スポンサーリンク
インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基！
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう！

リンク

KNラオ著清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

26 金星が最高の高揚状態にあり、第9室の支配星および土星と結合して第3室を占めている場合、誕生者は多くの点で幸運になります。

27-28 木星が第9室にあり、第9室の支配星がケンドラにある場合、誕生者は豊富な富を獲得します。水星が最高の高揚状態にあり、第9室の支配星が第9室自体にある場合、誕生者は36年後に豊富な富を獲得します。

29 ラグナの支配星が第9室、第9室の支配星がラグナの室（第1室）、および、木星が第7室にある状況は、誕生者の富と乗り物の利益に影響を与えます。

30 第9室から見て9番目（第5室）がラーフに居座られ、その支配星（第5室の支配星）がラグナから見た第8室を占有し、第9室の支配星が減衰星座にある場合、誕生者は幸運を奪われます。

31土星が月と共に第9室にあり、ラグナの支配星（第1室の支配星）が減衰星座にある場合、誕生者は物乞いすることによって食べ物を獲得します。

32 おおブラフミンよ、このようにして私はあなたに第9室の効果について簡潔に話しました。その他の効果は、第9室の支配星とラグナの支配星の状況に応じて示されます。

用語

高揚（高揚星座）：最高星位にある星を高揚しているという、太陽：牡羊座0-10度、月：牡牛座0-3度、火星：山羊座0-28度、水星：乙女座0-15度、木星：蟹座0-5度、金星：魚座0-27度、土星：天秤座0-20度
支配星：太陽-獅子座・月-蟹座・火星-牡羊座と蠍座・水星-双子座と乙女座・木星-射手座と魚座・金星-牡牛座と天秤座・土星-山羊座と水瓶座を支配している
結合：星同志が同じ室にあること
ラグナ：人の誕生時に東の地平線方向に現れる天空の1点 ※この詩句においてはラグナが入っている第1室のこと
ラーフ：黄道（地球から見た太陽の軌道）と白道（地球から見た月の軌道）の交点、昇交点、日蝕と月蝕を起こす点
減衰星座：最低星位にある星を減衰しているという、太陽：天秤座0-10度、月：蠍座0-3度、火星：蟹座0-28度、水星：魚座0-15度、木星：山羊座0-5度、金星：乙女座0-27度、土星：牡羊座0-20度（各星が減衰する範囲）
ブラフミン：僧侶（ここではパラシャラの弟子であるマイトレーヤを意味する）

解説

詩句26「金星が最高の高揚状態にあり、第9室の支配星および土星と結合して第3室を占めている場合、誕生者は多くの点で幸運になります」とは、第9室支配星や土星と結合した最高星位にある金星が、第3室から第9室をドリシュティ（見る）ことになります。土星は生来的に凶星ですが、金星と土星が結合することで良い効果（芸術性等）をもたらします。故に、幸運になる訳です。

詩句27「木星が第9室にあり、第9室の支配星がケンドラにある場合、誕生者は豊富な富を獲得します」ですが、この場合、本人自身を表す第1室と幸運を表す第9室間で支配星の星座交換がなされていることになります。故に良いことがもたらされます。

第9室は基本的に良い室ですが、悪いと言われる室に関わったり、支配星が減衰することで幸運を逃すことがこれらの詩句から解ります。このChapterを熟読することで第9室から読み取れる事を理解し易くなるでしょう。

参考

高揚・減衰星座について

a-2-9.星の居心地

ドリシュティ

a-3-1.星の視線（ドリシュティ）

各室の意味については下記記事にて説明しております。ここでの詩句と文言が違う場合がありますが、これは日本人にとって意味を捉えやすいように意訳している部分があるからです。室が意味する物事は限定的ではありません。幅広く捉えるための参考になるでしょう。

上

a-2-5.室の位置と表意ー上

中

a-2-6.室の位置と表意ー中