d-3-3.賢者パラシャラの占星術 Chapter27 影の惑星の影響8 -13

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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!

KNラオ著  清水俊介訳

インド式占星術の教則本はAMAZONで容易に手に入ります。多くの本に触れてインド式占星術の世界を感覚的につかめるようになることが、習得する上での近道となるでしょう。皆さまが多くの良書に出会えるようお祈りいたします。

 

※ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラはブログ記事のタイトルとして長すぎるので、賢者パラシャラの占星術と表示させていただくことにしました。

8 ドゥーマの惑星が第7室に去った場合、誕生者はとても貧乏で、常に官能的で、他人の女性に向かうのが上手く、常に輝きに欠けています。

9 ドゥーマが第8室に置かれている場合、誕生者は、力は欠けていますが、熱意に満ちており、誠実で、無愛想で、頑固で利己的になります。

10 ドゥーマが第9室に置かれている場合、誕生者は息子と財産に恵まれ、裕福で名誉があり、親切で信心深く、親類に対しても満足する傾向があります。

11 ドゥーマが第10室に置かれている場合、誕生者は息子と財産に恵まれ、満足し、知的で、幸せで、常に誠実になるでしょう。

12 ドゥーマが第11室にある場合、その人は富、穀物、金に恵まれ、ハンサムで、芸術の知識があり、謙虚で、歌が上手になります。

13 ドゥーマが第12室に置かれている場合、誕生者は道徳的に堕落し、罪深い行為にふけり、他人の妻に興味を持ち、冷酷で狡猾になります。

 

用語

  • ドゥーマ:太陽の位置から直接算出される影の惑星

 

解説

占星術の勉強会などで「100%」という言葉を使う人を時々見かけます。インド占星術は12の星座が順番に12の室に収まり、そこに太陽、月、火星、水星、木星、金星、ラーフ、ケートゥと、最低でもこれだけの要素が個人を表す事に使われます。星座は星に支配されているので、その星座が位置する室には必ずいずれかの星の影響があるわけです。更に星はドリシュティしますのでその効果はドリシュティの数だけ表れるわけです。

例えば第1室を太陽が支配しているとすれば、その太陽が位置する星座の支配星や太陽にドリシュティする星、同居する星の影響は第1室に現れます。更に言うと、太陽と同居したりドリシュティする星にドリシュティしたり同居している星の影響はもちろん、その星々がいる星座の支配星の影響も免れません。ここで言うまでもなく、そもそもの第1室に入居している星やドリシュティしている星はもちろん、その星へ影響を与える全ての要素が第1室に現れます。そして、今回のチャプターで学ぶ影の惑星も当然の事ながら個人の人生に多かれ少なかれ影響を与えます。つまり、第1室の支配星が入居している室という非常に重要な要素であっても、第1室の要素がただそれ一つ、他になんの関連もない、人生にその要素しか現れないなんて事はありえないわけですね。

星や星座の多岐にわたる関連の中から比重の高いものを選び抜き、おおよその傾向を見るのが占星術を志す者の務めとなることを改めて理解していだだいている必要があります。そして、それはインド式占星術を習得する上でとても重要なことなのです。

一つ例を挙げましょう。

私自身のドゥーマは第12室にあります。

パラシャラは、

「13 ドゥーマが第12室に置かれている場合、誕生者は道徳的に堕落し、罪深い行為にふけり、他人の妻に興味を持ち、冷酷で狡猾になります」

と語っています。

とは言え、そもそもの私の人格は、第1室への星の関連や第2室・家族から受ける影響、その後歩む人生(第1室から第12室)、更に言えば、前世の影響によってかたち造られています。ですので、ドゥーマただ一つの要素で100%占められることは無いわけですね。

拠って、道徳的に堕落しているという評価を受けたことは人生で一度もありませんし、罪深い行為(どんな行為なのでしょう?)をした覚えもありません。

知り合った男性の奥様がお綺麗な方であれば、「○○さん、お綺麗な奥様ですね」とその男性に直接言うことはありますし、それをもって人妻を口説いていると感じる方(たんに褒める要素を探して言っているだけのつもりなのですが)もいるので、そこは当たると言えば当たっているのでしょうか。でも人妻と付き合いたいと思った事も実際に付き合った事もありませんけれども。

強いて挙げれば、お仕事などで、優秀な人とそうでない人の判断が早く、見限ることも多いです。(10話して100理解してくれる人と100話して10しか理解できない人、どちらを徴用するかという話、100話してマイナス100なんてこともありますね)それをもって冷酷と感じる人もおられるでしょうから、そこは当たっているかもしれません。

さて、ugの人格におけるドゥーマ第12室在住の現れ方

道徳的に堕落 ×

罪深い行為にふける ×

他人の妻に興味を持つ △?

冷酷 〇?

私と言う個性の中で上記詩句が当たっている割合で言えば、50%に満たないわけですが、そもそもそこにたった一つの要素なみで考えてしまうことの愚かさが解らないようであれば(ブログ執筆当初から要素が多岐に渡ることを繰り返し述べているので)、残念ながら、当ブログでインド占星術を身につける事は無理でしょうと言わざるを得ないことになります。合わない教材や向いていない事に時間を使うのはもったいないのでやめましょうよ。

ug、冷酷です。

 

参考

影の惑星について

b-4-9.ブリハット パラシャラ ホーラ シャストラChapter3惑星の表意と性質61-65

 

※翻訳元であるペーパーバックのこのChapterにはわかりやすい解説がついています。気になる方は下記の原著を当たられると良いでしょう。(著作権問題があるためノート部分の翻訳を掲載することはありません)

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Brihat Parasara Hora Sastra: A Compendium in Vedic Astrology: 2 Volumes

 

次回は

d-3-4.賢者パラシャラの占星術 Chapter27 影の惑星の影響14 -19

となります。

※筆者は日本国内および世界における全ての宗教団体とは一切関係ありません。

※サンスクリット語で書かれた原典から英語、英語から日本語への翻訳となっているため、齟齬の可能性をご理解の上、インド式占星術学習の参考にしていただければ幸いです。尚、サンスクリット語から日本語に直接翻訳された書物が下記の電子出版物となります。

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