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インド占星術を学びたいならば一番最初に読むべき基本の基!
この本の内容が理解できなければ、そもそもこの世界に足を踏み入れないほうが良いでしょう!
KNラオ著 清水俊介訳
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今回は10室の読み解きです。インドでは10室のことをカルマと呼びます。ある宗教団体の影響により日本ではカルマとかグルというと悪印象を持たれることがあります。意味としては単純にカルマは行動、グルは教師です。この辺りのイメージを払拭してから読解に入らないとつまらない袋小路に入ることになります。2000年頃、幾人かで鑑定している時に一人がグルという言葉を使いました。それを耳にした人は即「〇〇〇真理教だ」と騒いておりました。私の知る限りインドネシアでもマレーシアでも、もちろんインドでもグルとは教師のことです。無知による決めつけは学習の阻害要因となりますので気をつけた方が良いですね。
それでは「入室する星座とその星座の支配星」「在住する星とその星が支配する室」「ドリシュティする星とその星が位置する星座・室」の情報を結び付けて読み解いてみましょう。9室が示す「こう成りたい」「こうありたい」という思いを実行に移すのが10室の行動です。仕事もこの室の分野です。
10室カルマ(行動)
10室にある星座は牡羊座。牡羊座の支配星は火星。火星は天秤座に位置しているため中立星座にいることになります。10室にはラーフがあります。ドリシュティする星は4室にいる火星と月です。火星は創造・息子の5室と10室を支配しているので、自身の支配星座をドリシュティしていることになります。月は中立星座にあり、欠けていく月となります。月は1室自己を支配しています。
ここまでがクンダリーの10室から読み取れる情報です。
ここから星座と星が持つ特徴を当てはめていきます。
最初にグナ(気質)を見てみましょう。牡羊座の場合は支配星である火星のグナとなりタマスです。在住するラーフはタマスです。ドリシュティする火星はタマス、月はサトヴァです。つまりタマス優勢のサトヴァ混合です。
次にパンチャブータ(五元素)を見てみましょう。牡羊座は火、ラーフにはなく、火星が火、月は水となります。この人の行動はパンチャブータにおいて火優勢の・水混合となります。
3番目にドーシャ(体質)を見ます。牡羊座は火星のドーシャを使うことになるためピッタとなります。ラーフはヴァータ、火星はピッタ、月はヴァータ1/2・カパ1/2です。全体としてピッタ優勢ヴァータ・カパの順となる混合ということになります。
4番目は能動受動を見ます。牡羊座なのでこの人の行動は能動的ということになります。
5番目にカーストを見ます。牡羊座は戦士(クシャトリア)、ラーフは異邦人(ムレッチャ)、火星は戦士(クシャトリア)、月は商人(ヴァイシャ)なので、戦士(クシャトリア)優勢の異邦人(ムレッチャ)商人(ヴァイシャ)混合となります。
最期に吉凶を見ます。火星は中立星座在住で本来的に凶、ラーフは本来的には凶ですが10室在住で吉、欠けていく月は小凶となり、全体として凶優勢となります。
まとめます。タマス優勢のサトヴァ混合なので、この人は仕事が思うようにいかず苦労することが多いでしょう。パンチャブータ(五元素)において火優勢の・水混合なので、頑張り屋さんで結果もついてくるでしょう。得られる結果に対してややオーバーワークと言えます。ドーシャ(体質)においてピッタ優勢ヴァータ・カパの順となる混合であることから、動きを伴う仕事となるでしょう。能動的なので積極的に行動・仕事をします。カーストが戦士(クシャトリア)優勢の異邦人(ムレッチャ)商人(ヴァイシャ)混合なので、先頭に立って行動・仕事をして取引にも関わるでしょう。海外に関わる業務もするでしょう。吉凶においては凶優勢ですから、この人は行動が上手くいかなかったり仕事で苦労するでしょう。ですが、ラーフの吉性により働くことが好きでしょう。尚、10室の支配星が4室に入ることは本来良いことです。この人は不動産・車・農業・教育に関することで行動・仕事をして、オーバーワークであるつつも少ないながらも良い面もあるでしょう。
さて、10室でこれだけのことを読めました。基本的に足し算と割合の理解が読み解きにとって重要です。必要な能力はその程度です。簡単でしょう!(^^)
ここまででは足りないと感じる方は、より詳細に読むこともできます。例えば支配星が入る4室に月とケートゥが同居することはあまり良い事とは言えず、そのことが行動や仕事にも悪影響をもたらすことがわかります。しかし、ケートゥがドリシュティしないこともあり、牡羊座、支配星である火星、在住するラーフ、ドリシュティする火星と月の本質があくまで主体であり、そこから読むことが大事です。細かい読解に必要以上に敏感である必要はありません。
参照記事
牡羊座
火星
ラーフ
月
次回は11室についてお話しします。
a-7-5.読解実践-10室カルマ(行動)
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